夢は地元トスカーナで高貴なボルドータイプを造ること
サッシカイア誕生以前、イタリアでは地元品種でワインを造り地元で消費するのが通常のスタイルでした。しかし、ボルドーワインの高貴な味わいに魅了された初代マルキ・マリオ・インチーザ・デラ・ロケッタは、早速トスカーナの畑にカベルネ・ソーヴィニヨンを植え、試行錯誤をはじめたのでした。
当初、わずか2haの畑からスタートしたテヌータ・サングイド。シャトー・ラフィットから貰い受けたカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランを大切に育て、いつかボルドーワインのような長期熟成するワインを完成させるという夢を抱きながら家族、友人のためにワインを造り続けていました。
マルキ・マリオ・インチーザ・デラ・ロケッタ氏
当初、地元の軽ろやかなワインに慣れていた人々にがっちりとした濃いフルボディのワインは受け入れられず、1948年から1960年までの間サッシカイアは家族のためだけのワインとなっていました。
その夢をこめたワイン「サッシカイア」は友人の間で徐々に評判となり、1968年初ヴィンテージを一般に発売しました。そして、ロンドンでの試飲界を機に、わずか5000本のみの販売だったにもかかわらず、まったく新しいジャンルのイタリアワインということで、評論家たちから「スーパータスカン」と謳われ、世界に愛されるワインとなり、現在にいたるまで生産本数を増やしています。
こうしてテヌータ・サングイドは閉鎖的だったイタリアワイン界に新風を巻き起こしました。
シャトーラフィットの葡萄から始まる
サッシカイアに使われる葡萄品種はボルドーと同じカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランですが、そもそもはシャトー・ラフィット・ロートシルトのオーナー、ロスチャイルド男爵からの贈り物であったことご存知ですか?
競馬仲間として親しかった男爵が、ボルドータイプのワインを造りたいなら・・・とプレゼントされたそうです。
サッシカイアの高貴な香りと味わいは恵まれたテロワール、入念な手入れ以外にもこんな逸話が影響しているのかもしれません。
毎年続く高評価
サッシカイアは当然のことながらヴィンテージごとにその個性を引き出し、高得点をはじき出します。
その歴史は、1978年イギリスの評価誌「デカンター」主催、名だたる評論家が集まる試飲会で、「ベスト・カベルネ」に選出、1982年のヒュー・ジョンソンのポケットワインブックで「Italy's Best Wine」に選出など、華麗なる経歴に彩られています。
初めての偉大な評価を受けてから30年、今なおロバート・パーカーなど評論家、愛好家から絶大な支持を受けています。
|