アリゴテという品種
アリゴテは昔、シャープな酸が強い事からカシスリキュールとブレンドして飲むスタイルが生み出され、今世界中でポピュラーなアペリティフとなった「キール」が誕生しました。
そのアリゴテ種が見直され注目を浴びはじめたと言うのも、シュヴロを始めとする優良生産者が、葡萄を丁寧に育て、収穫量を制限し、よく熟したブドウのみから造るようになり、きりっとした酸に加え、果実味や複雑味が増した上級の白ワインを生み出した事にあります。
4つの畑の個性が生みだすこだわりの「アリゴテ」
1798年のドメーヌ創業以来、生産者がこだわりを持って取り組み続ける土着品種「アリゴテ」から造られる白ワイン。
このワインは、樹齢や熟度の異なる、合わせて1,2haの4つの畑のアリゴテ種から造られています。それぞれの畑の性格は大変異なり、これらをブレンドすることによって、アリゴテのワインは特徴的で高品質に仕上げられ、その多様性を反映して“4つのテロワールのワイン”と呼ばれています。
フルーツの香を最大限に引き出すため低温で醸造され、異なるテロワールからのミネラル分のバランスは大変良く、繊細な香の様々な前菜や魚介類の料理にとてもよく合います。
樹齢80年の葡萄を含む、4つの畑のアリゴテを厳選して完成したこの味わいは、じっくり時間をかけるほど表情が変わっていく上級者向けワインと言えます。
納得!この果実味、この複雑さ!!
これだけのこだわりを持って造られたシュブロのアリゴテは、驚くほどの果実味と複雑さが存在しており、さらに時間とともにブルゴーニュワイン特有のミネラリーなニュアンスが立ち上がり、上質なワインであることが伝わってきます。
このニュアンスは「樹齢、畑の違う葡萄の多様性を最大限に引き出したからこそ出る味だ」と、3代目の現当主パブロ氏は言います。
このワインをブラインドで出されて、「アリゴテ」と思う方はいないはずです。
家族経営のワイナリー「ドメーヌ・シュヴロ」
生産者のシュヴロさん一家
奥様のかおりさんは日本人です
ブルゴーニュ地方、コートドボーヌ地区の一番南、マランジュ村にあるシュブロ家は1798年からワインを造り始めました。現在でもその時代に地下貯蔵庫を使用し、さらに1997年には温度管理の行き届いた最新式の巨大な瓶詰めワイン貯蔵庫も完成させています。
現在の当主パブロ氏は若いながらも大変研究熱心な人で、ディジョン大学で生物学と栽培環境学のディプロムを取得後、ボルドー大学でワイン醸造士の国家資格も取得。2003年からボーヌのワイン醸造専門学校で講師も勤めています。
テロワールを重要視するパブロはビオディナミも取り入れ農薬や科学肥料は一切使用せず、さらには馬を使って畑の一部を耕す取り組みも行っています。収穫も勿論100%手摘みで行っています。
馬での耕作の様子です。
地道な作業であることが伝わってきます。
「フランスで飲んだときのあの感動。それと同じ状態のワインをお届けするのが私の使命です」
そして、もうひとつお伝えしたいのは、輸入元ワインに対する真剣な取り組みについて。
ボランジェ・アワードで昨年優勝した夏子さんです
「ワインが美味しいのは当たり前、フランスで飲むのと同じよい状態のものをお届けしたくて、輸入会社をはじめたんです」と語る本田氏のワインは、
今回ご紹介の生産者シュヴロも来日した際、
「フランスの自分の蔵で飲むより、ワインが美味しくなってる!」
と驚いたほど、ワインの保管に気を遣われています。
さらに、本田氏は自ら輸入会社を切り盛りする傍ら、
アメリカのワイン教育者の資格をトップの成績で取得されたうえ、
ワイン業界でもっとも権威ある資格「マスター・オブ・ワイン」にもっとも近い日本人といわれている実力の持ち主。
「産地や品種は香りを嗅いだだけでわかってしまうんです」
という素晴らしいテイスティング能力に加え、素晴らしい努力家なのです。
そんな彼女の紹介するワインは香りの高さ、品質の確かさに、レストランやホテルのソムリエからも絶大な支持が寄せられています。 |