天国のように美しい畑で造られるピノ・ノワール
ジェリコのポリシーは「自然と共生しながら美味しいワインを造る」ということ。
父の代から根差しているメンドシーノという土地は、同じカリフォルニアといえども商業的にも大成功を収めたナパとはかなりイメージが違い、神聖な空気が流れている天国に近い印象を持つ地だそうです。
実際、ジェリコ・ワイナリーでは、殺虫剤や殺菌剤、化学肥料といった人工的なものは一切使用されていません。葡萄樹の根元に自然に生えた草を、ワイナリーの中を自由に歩き回る鶏やヤギ、羊が美味しそうに食べている風景が日常だそうです。
厳選した葡萄樹が密に植えられ、大地深く根差し、その土地のポテンシャルを最大限に吸い上げる。こうして造られたワインはしっかりとしたストラクチャーを持ち、余計な手を加える必要なく芯の通った美しいワインとなっているのです。
オーガニックの上をいくビオディナミへの取り組み
また、ジェリコワイナリーではオーガニックのさらに上を行く取り組み、ビオディナミにも取り組んでいます。実際にこのピノ・ノワールもビオディナミの方法で醸造されています。
ビオディナミとはオーストリアの農学博士によって考案されたアプローチで、じわじわと支持者を増やし、フランスの大手メゾン(ブルゴーニュのルロワの取り組みは有名)も取り組み始めている農法です。
一言で言うなら地球や天体の動きに従ってより自然に、植物本来が持てる力を100%引き出そうという試みです。そして、バイオダイナミックで造られたワインにはエネルギーがみなぎり、抜栓して少々の時間が経ってもその生命力を失わないという特徴があるそうです。
ビオディナミの認定を受けるには数年の月日を要するため、ジェリコのピノ・ノワールではまだ正式にビオディナミを名乗ることはできませんが、何ビンテージか後にはビオディナミの文字がラベルに刻まれることでしょう。
ジェリコ・ワイナリーについて
カリフォルニア北部の大自然の中に広がるワイン産地 メンドシーノ。
カリフォルニアのオーガニックワインの先駆者フェッツァー一族の本拠地でもあるこの地に、1997年ジェリコワイナリーは造られました。
ワイナリーを立ち上げたのはフェッツァー創業者バーニー氏の息子ダニエル・フェッァー氏。父の始めたワイナリーは成功を収め大手企業に売却されてしまい、息子達も一旦は違う職業についていましたが、5歳の時から父直々にワイン造りを教わっていたダニエルは父の死後同じメンドシーノでワイン造りを再スタートさせます。
ダニエル・フェッツァー氏
ジェリコのこだわりは、農薬や肥料は一切使用しない自然な栽培と、100%手摘みでの収穫、そして天体や月の動きに従って行うビオディナミまでを取り入れる、葡萄、土壌の特性を全て出し切るワイン造りです。
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