とっても美味しいワインと出合いました!
ちょっとスモーキーで果実味とともに、ドライローズや深い森を思わせる深みのある香り。 口に含むとシルクのような液体がじんわりと舌を覆い、穏やかな果実味と共にボリュームのある旨味が広く長く続き、その味わいは身体の中に染み入るような感覚があります。
ワインであるにもかかわらず、アルコールっぽさを感じさせない穏やかな飲み口にグラスが止まらなくなって、気づくとなくなってしまうような味わいなのです。
標高282メートルの恵まれた畑から生み出される、年間3500本のみの超少量生産赤!
このワインが造られるのは、南アフリカを代表するワインの銘醸地 エルギン・ヴァレー。 この産地の中でも標高282メートルに位置する、わずか1ヘクタールの畑からこのワインは生み出されています。 (ラベルの282はこのワインが生み出される畑の標高を表しています)
その生産本数は、わずか3500本のみ。 あのロマネ・コンティの半分以下の本数しか造られていない、とても希少なワインなのです。
恵まれた畑では、化学肥料、農薬は一切使用せず、畑の中にアヒルを定期的に放して害虫を食べさせています。 このような手段で手をかけつつ自然を尊重したワイン造りの姿勢は、深く旨味が溢れるワインのスタイルからも感じることができます!
一口飲むと、心身ともにエネルギーがチャージされていくような素晴らしい味わい。 豊かな気持ちになれるとても美味しいワインです!
滋味豊かな赤。旨味がずっと続きます!
いつまでも飲んでいたくなる美味しさです。
この日、何種類かワインを持ってきてくださった輸入元の方も一緒に試飲をしていたのですが、「このまま自宅に持ち帰って全部飲んでしまいたい!といつも思うんですよね、このワイン。 しみじみと美味しくって、いつまでも飲み続けていたくなるんです」 と愛おしそうにお話をして下さいました。
その方の言葉は実に的を得ていることを実感します。
ミーティング後も時間をかけてグラスに残しておいたワインをテイスティングしたのですが、香りはさらに開き、味わいはよりまろやかになり深みを増していきました。
こんな風にしみじみゆっくり味わいたい!と思うワインは久しぶりでした。
心地よい秋の夜長にゆっくりと味わいたい、とても美味しいオススメの赤です!
深みのある多様な香り
ワインの色合いはふちにレンガ色が入った深い色合いです。
グラスからは、カシス、オレンジ、ドライローズの華やかな香りに加え、葉たばこ、干し草、苔むした森などの深みがあってしっとりとした印象の香りが立ち上がります。 そして、丁子のようなオリエンタルなスパイス感も少し顔を見せ始めます。
郷愁をかきたてる懐かしく穏やかな香りが広がり、時間とともに衰えることなく深みが増していくようです。 また、グラスに注いですぐにはあまり感じなかった、ベリーっぽい若々しさも改めて顔を見せはじめます。 他にも、皮革製品、鉛筆の芯の複雑なニュアンス、花やブーケの華やかな香り、そして海岸にいるかのような海を思わせるミネラリーな香りも感じられるようになります。
シルクの舌触りからボリュームのある旨味が広がって、、、
口に含むと、その液体は尖りがなくまろやかで、舌の上をしっとりと覆いつくすシルクのような舌触りが広がります。 そこにゆっくりと果実のまるみと穏やかな酸が現れボリュームのある旨味が長く長く続きます。
そして、その旨味が身体の中にスーッと染入り、アルコールを飲んでいることを忘れてしまうような優しさでグラスが自然に進んでいきます。
深みのある多様な香りとエキスが詰まった味わい、しっかりとした骨格とエレガントさから、このワインが丁寧に造られたことが伝わってきます。
派手なワインではありませんが、造り手の思いやワインとしての質の高さを実感できる素晴らしい味わいです。
大地の恵みをたっぷりと吸い上げた力強さと穏やかさ
このワインは農薬も化学肥料も使わない、正真正銘のビオディナミ、とてもナチュラルな方法で造られています。
ビオディナミを謳うワインの中には個性的な香りがするものも少なくないので個人的には苦手なワインもあるのですが、このエルギン・リッジのピノ・ノワールは大地の恵みをたっぷりと吸い上げた力強さと穏やかさに満ちたとても綺麗な造りで、自然に美味しい、と口から洩れてしまいました。
日本人の舌にもなじみ深いお出汁と通じる旨味も、大地のエネルギーと恵みを吸収した葡萄だからこそ出てくるのかもしれません。
「自然」であることにこだわったワイン造り
オーナー夫妻がこの地に畑を購入したのも、化学肥料をこれまで使用したことがなく、上質なワイン作りにかかさないクールクライメット(ワイン作りに適した冷涼地)の地であることが決め手でした。
アヒルも自由に歩く美しい畑
恵まれた自然環境を損なわないよう、彼らの畑にはアヒルが放し飼いにされ、ロバも自由に歩いているそうです。有機栽培にこだわり、動物のリサイクルで生まれてくる豊かな自然の畑のパワーをそのまま吸い上げた葡萄が収穫されています。
醸造においても、ピジャージュなど人間の手を入れることを出来るだけ排除する「ハンズオフアプローチ」で取り組んでいます。
何も足さない、何も引かない、大地が持つエネルギーを最大限に表現することにこだわり完成したワインです。
ジェイミー・グッド 91-93点
エルギン・リッジ 282 ピノ・ノワール は、わずか1ヘクタールの畑から造られています。そのため、生産本数もわずか3500本のみとごく少量です。
そのため、なかなかコンクールなどに出す機会もないのですが、彼らの恵まれた畑の環境に注目した英国人ジャーナリスト ジェイミー・グッドは、彼らの造るワインに常に90点以上の高得点を与えています。
今回ご紹介の 282 ピノ・ノワール 2014 も 91-93点の高得点を獲得しています。
ちなみに、ジェイミー・グッド氏は植物生理学の博士号を持ち、 「新しいワインの科学」という本を執筆するなど精力的にワイン造りへの科学的アプローチを行い、あのジャンシス・ロビンソンが一目置くジャーナリストであり、ワイン評論家です。
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