【アンリ・ジロー】
Henri Giraud
公式ホームページ: http://www.henrigiraud.jp/
(以下ホームページ資料より)
幻のシャンパーニュ
シャンパーニュ地方には世界のマーケットに販売網を広げるグラン・メゾンだけでなく、ネゴシアン・マニピュランと呼ばれる小規模生産者を含めると約五千社あると言われています。
その中に、ごく一部の愛好家にひっそりと愛されてきた“知る人ぞ知る“シャンパーニュがあります。
それがアンリ・ジローです。
イギリスやモナコなど、ヨーロッパ上流階級でのみ愛飲されていた「幻のシャンパーニュ」。
良質のブドウと伝統製法から生み出される洗練を感じさせる味わいは、長くヨーロッパ社交界の華やかな宴を彩ってきました。
アンリ・ジローの特徴は、なんといっても良質のピノ・ノワールを産出するアイ村産のブドウへのこだわりにあります。芳醇にしてエレガント、フィネスを感じる高貴な味わい。
それぞれのラインごとに個性的な光を放ちます。
創業以来380年の時を経て
アンリ・ジローの歴史は、17世紀初頭に遡る。ルイ13世統治下の1625年、創業者のフランソワ・エマールは、フランス、シャンパーニュ地方のアイ村産のブドウ畑を手に入れ、ブドウの栽培を始めた。実はここに、現在のアンリ・ジローのシャンパーニュが高い評価を受けることになった大きな理由があった。
10世紀以前から、石灰質の土地であるシャンパーニュ地方は、シャルドネやピノ・ノワールなど良質なブドウを生み出す地として知られていた。中でもアイ村産のピノ・ノワールは特に評価が高く、17世紀にシャンパーニュ造りが始まった頃には、多くのメゾンがアイ村産のピノ・ノワールを欲しがったという。
特に熱心だったのが法王や王族で、“歴史の証人”として、今もアイ村にはフランソワ1世やアンリ4世の圧搾場跡が残っている。ちなみに、アンリ4世は「アイ卿(Lord of Ay)」と呼ばれ、アイ村の歴史のひとつとなっている。
16世紀初頭から、アイ村はシャンパーニュ地方においては、ワインのAOC(原産地統制名称)として認定され、現在、アイ村にある323のクリュ(区画)のうち、グラン・クリュに認定されているのは17のクリュ。その高品質のブドウは、プレステージ級のシャンパーニュにおいては、もはや欠かせないものとなっている。アンリ・ジローは、アイ村に約8ヘクタールの自社畑を有しており、それらはすべてグラン・クリュに認定されている。
もちろん、アンリ・ジローが現在のような高い評価を受けるシャンパーニュを造れるようになるまでの道は、決して平坦なものではなかった。アンリ・ジローのシャンパーニュがさらに進化したのは、20世紀の始めの頃のこと。マルヌの戦いに騎兵として参加していたレオン・ジローが、エマール家の娘と結婚したことが現在のアンリ・ジローにとって大きな転機となった。>レオン・ジローはシャンパーニュ造りに愛情と情熱を持っていた人間で、当時、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)により壊滅状態にあったブドウ畑を、彼自身の研究と絶え間ない努力によって復興させた。それは特定のアメリカの苗木を接木するという、当時としては最先端の技術であったという。
そして現在、12代目のクロード・ジローは、彼の精神を受け継ぎ、シャンパーニュのさらなる向上を目指している。
それを証明するのが、ワイン評論家ロバート・パーカーのコメントだろう。「ほとんど人に知られることのないこのドメーヌは、最高のシャンパン・ハウスだろう。このハウスのシャンパンは、むしろ蜂蜜味のあるブルゴーニュ・ブランに近い。
伝統のオーク樽で熟成されたプレステージクラスの『フュ・ド・シェーヌ』はクリュッグのような後味を残すが、より酸化度が低いため、強いボディーを感じさせる。(中略)このハウスのシャンパンは、NV(ノン・ヴィンテージ)中でも最高峰の一つといえる」と語っている。
アイ村産のピノ・ノワールの魅力が存分に味わえる類まれなるシャンパーニュ、繊細にして芳醇、エレガントな飲み心地のアンリ・ジローは、創業以来380年の時を経て、また新たな歴史のページを記したといえるだろう。
個性の味わいが生まれるのは
繊細にして芳醇、奥深さと複雑性を兼ね備え、味と香りの奥からフィネスが感じられる・・・それが、アンリ・ジローの個性。
一流老舗メゾンが集まるアイ村に本拠地を置き、ブドウ本来のポテンシャルを大切にするシャンパーニュ造りを心がけている。
その唯一無二の味を支えているのは、なんといっても良質のブドウにあるだろう。アンリ・ジローがアイ村に有するブドウ畑は約8haで、それらはすべてグラン・クリュに指定されている。
栽培されるブドウの種類はピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。生産量は極めて少なく、故にヨーロッパの王室など一部の上流階級へのみの販売が中心で、今まで市場にはあまり出回ることがなかった。だが、評価は年々高まり、今ではシャンパーニュ愛好家に多く飲まれている。
また、ブドウ本来のピュアな味わいを生かしているのが、今も頑固なまでに守り続ける伝統製法だ。ブドウはすべて手摘みで、収穫されたブドウは酸化を防ぐため、すぐに醸造所へ運ばれる。そして不純物を完全に取り除かれ、プレス機にかけられる。
特筆すべきはこの圧搾後の処理だろう。
1990年以来、アンリ・ジローでは、シャンパーニュ地方でいち早く、低温浸透法のシステムを導入している。低温浸透法とは、ブドウジュースが圧搾されて出てくると、特別なコンプレッサーによってゆっくりと10度まで温度を下げるシステムのこと。
こうすることで、衛生面において有益なだけでなく、同時に雑味成分とブドウジュースが完全に分離するなど、多くのメリットが得られるのだという。
そしてその後、シャンパーニュに複雑なアロマをもたらすため、特別にあつらえたアルゴンヌ産の樫の樽でゆっくりと低温発酵させるのだ。
この特別な樽を使うことによって、シャンパーニュにバニラ、ココナッツといった複雑性のある香りをもたらすことができるというわけなのだ。
繊細さとしなやかさ、そして蜂蜜のニュアンスを持つアンリ・ジローのシャンパーニュは、こうして生み出されるのである。
そしてラインの中でも、メゾンの哲学が反映されているのが『フュ・ド・シェーヌ』。 1年間オーク樽にて熟成、6年の瓶内熟成の後、澱引きも手作業によって丹念になされるこの1本は、まさに「至高」のシャンパーニュといえるだろう。
ピノ・ノワールの醍醐味、コード・ノワール
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アイ村産のピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワール。
アイ村産のピノ・ノワールに遺伝子(コード)レベルで迫り、その神秘性を表現することをテーマに造られたシャンパーニュ。
ブラン・ド・ノワール(黒ブドウのみで造られたシャンパーニュ)ならではの力強く、奥行きを感じさせる味わい。バニラや蜂蜜の香りが特徴で、フレッシュな果実味や酸味と甘みのバランスも抜群。
光を感じさせるようなゴールドの色合いとクリーミィな泡立ち
洋梨やチェリー、桃などの果実にバニラや白こしょうのニュアンス
凝縮した果実味と酸味とのバランスが秀逸で、まろやかな味わい |
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