ビビッときたその香り!
「1707アシエンダ・エル・エスピノ」 そのワインとの出逢いは銀座で開かれた、ある輸入業者の試飲会でした。
試飲会の部屋に入ると部屋中が華やかなワインの香りで満たされていましたが、私はその香りでその日はとても期待できる事を直感しました。
良いワインは香りでわかるものなのです。
会場には100種類近くのワインが出店されていましたが、ワインのクオリティーは不思議と輸入業者によって異なります。
どれを飲んでも美味しく無名ながら優れたワインを取り揃える業者もあれば、その反対に試飲を続けるのがちょっと辛くなってしまうようなワインばかりを取り揃えていたり、美味しくてもその価値に見合わない高額なものが多い業者もあったりするのです。
それぞれの業者によってその特徴がワインの個性や価格にも現れるのです。
試飲会ではいつもテーブルに並べられたワインを端からグラスに注いで行き、色や香り、アタック、味わい、そして余韻等を一つ一つチェックしていき、その感想をリストに書き込んでいきます。
この作業を延々と行うため途中で疲れてしまうことも少なくないのですが、良いワインをたくさん取り揃える業者の試飲会では新たな発見や感動の連続、試飲を退屈に感じる事はありません。
仕事とは言え、美味しいワインを飲んだときに感じる喜びや幸福感はいつも変わりのないものなのです。
そしてその日もあるワインとの出会いがそのような素晴らしい喜びと感動を与えてくれました。
そのワインの名は「1707 アシエンダ・エル・エスピノ」 スペイン・アルマンサ地方のワインで、赤白合わせて4種類のワインが出品されていましたが、「これだ!」という感覚で4種類全てがそのクオリティーの高さ、価格と価値のバランスの良さという点で他の多数のワインの中では群を抜いていました。
パーカー89点の赤!葡萄のクオリティの高さが伝わる・・・
まず最初にメルローをいただいたのですが、しっかりとした色合い、濃厚で甘い香り、口に含むと柔らかく自然と体の中に吸い込まれるクセの無い味わい。
メルローらしい土臭さを持った滑らかで濃厚な印象なのですが、それでいて丸みを帯びた飲み易さが特徴的でした。
そして、その後「バリエダーデ(バラエティー)」、「セレクション・デ・バリカ(バレル・セレクション)と続けて赤ワインをいただきましたが、どちらも香りや味には確かにスペイン的な特徴をしっかりともっているのですが、それでいてボルドーの品種らしく、洗練されたエレガントな印象で、どちらも甘味と渋みのバランスの取れた高品質で素晴らしいワインでした。
赤ワインはどれも収穫された葡萄のクオリティーの高さが伺える素晴らしいもので、特に「セレクション・デ・バリカ」はワイン評論家のロバート・パーカー氏が89点というこのクラスのワインでは非常に高い得点を付けた話題のワインでもあります。
私個人としてはどれもとても美味しく感じましたが、メルローは特に印象的でした。
個人的一番の当たりはシャルドネ!
パーカーも86点評価!
そして最後にいただいた白ワイン「シャルドネ」 私は飲んだ瞬間に「これが一番の当たり!」と感じとても好きになりました。
色は比較的濃いレモン色で香りも味も樽香の利いたしっかりとしたパワフルなものなのですが、それでいてとても飲み口の柔らかい酸味・甘味ともにバランスの良いエレガントな味わいです。
樽の利いたしっかりとしたワインというのは特徴がはっきりとしているため最初のアタックで美味しいと感じる事は多いのですが、濃厚であるが故にその後なかなか杯が進まなかったり、途中で飽きがきてしまうことも少なくないのですが、このワインは違いました。
試飲会にもかかわらず、美味しくてどんどん飲めてしまいます。
ロバートパーカー氏が86点も付けた事も納得が出来ます。
4本それぞれ違う特徴を持ったワインですが、どれもその品質の高さ、出来のよさを感じる事の出来る優れたワイン。
スペイン・アルマンサの地で素晴らしい畑とこだわりを持った生産者の努力によって生まれた新しいワイン。
自信を持っておすすめします。
是非お試しください!
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