ピノはブルゴーニュに限る!
という方にも是非飲んでみて欲しい!
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こんにちは、デリバリーワインの太田です。
ブルゴーニュのワインは大好きですが、この価格帯のワインは、生産者やヴィンテージや飲むタイミングによって失敗する事も多いのが現実・・・。
そして、美味しいものはどんどん値段が高騰してしまっているのも事実・・・。
世界各国で造られているピノもだいぶ品質水準が上がっているけれど、やっぱりブルゴーニュのピノに慣れ親しんでいると、奥行きや複雑味に欠けていたり・・・と、中々満足できるピノノワールに出遭える可能性が少なかったりします。
でも、本日ご紹介のニュージーランドのピノ・ノワール、クロ・マルグリットは、飲んでみて誰もが納得するであろう、高品質でとっても美味しいピノ・ノワールだと、胸を張ってご紹介したくなるワインです♪ |
こういうピノを求めてました!
常に美味しくて、ハズレがない!
クロ・マルグリットのピノに出遭った時、いつ誰と飲んでも安心できて、常に美味しくて、ハズレがなくて、素直に美味しい〜!と嬉しくなりました!
まさに「こういうピノを求めてました〜!」と大喜び!
ブルゴーニュ大好き、ピノ大好きの私も、大好きな生産者の1人です。
6月に生産者のジャン=シャルルとマルグリットの夫妻が来日した際に色々お話を伺い、「美味しさの秘密」を教えていただき、更に大ファンになってしまったワインです。
NZワインらしい素直なフルーツと、
ヨーロッパを感じる複雑なアロマ
クロ・マルグリットのピノ・ノワールは、豊かな果実味に加え、幾層にも重なる複雑なアロマを持っていて、ベルベットのような舌触りの滑らかなタンニン、熟して落ち着いた酸、エレガントで落ち着きのあるピノ・ノワール。
新世界の親しみやすさ
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旧世界の複雑味
素直なフルーツたっぷりのNZワインらしい特徴もありつつ、マッシュルームやアニマルな要素などといった複雑な第二アロマ、それは確かにヨーロッパらしいニュアンスなのです。
それは、ベルギー出身のご夫婦で、小さい頃からヨーロッパワインに慣れ親しんだ二人が、ニュージーランドという異国の地で、「自分達らしさ(=ヨーロッパらしさ)」を出すよう、こだわりを持って造っているという、このワインだからこその、味わい。 |
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自分達の手の行き届く範囲で丁寧に造るのがモットー
殆どの作業は基本的に、自分達二人で作業を行い、人を雇っての収穫についても厳密な指導の下丁寧に行っているというご夫婦の愛情がワインの品質にも繋がっています。
「葡萄の剪定は本当に大事だから絶対に自分達以外の人にやらせることはない」
日々、一本一本の葡萄樹と向き合って丁寧にワイン造りをしているクロ・マルグリットのワイン、一度飲めばきっと虜に・・・! |
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「美味しさの秘密」を伺いました!
本日は今年の6月にお伺いした、「美味しさの秘密」をご紹介したいと思います!
経験に基づいた工夫と、並大抵じゃないこだわり!
「旧世界と新世界の特徴を融合」
「テロワールを生かしつつ自分達らしさ(ヨーロッパのニュアンス)を表現するのがモットー」
言葉にするのは簡単ですが、実際にワインとして表現するのは、本当に大変なこと。
でも私はこのワインを飲んで、この言葉、そのままを、身体で感じることが出来ました。
どうしたらその夢を実現することが出来たのか?
その理由をどうしても伺いたくて、お会いした時質問を投げかけてみることに・・・!

すると細かい工夫は山ほどある中で、いくつかの具体例を挙げて丁寧に説明して下さいました!
■高密植にこだわる
まず、葡萄樹の密植は多くのワイナリーの倍近い密植度。
高密植はヨーロッパでは伝統的な方法でありながら、ニュージーランドではまだ珍しい方法。
生産コストはかさみますが、こうすることで、ピノ・ノワールならではの複雑味、森林やマッシュルームを思わせる第2アロマを引き出しているのだと言います。
■ダブルギュイヨ仕立てでの剪定にこだわる
専門的な話にはなりますが、1本の樹から2本の枝だけを伸ばすダブルギュイヨ仕立てへのこだわり。
ニュージーランドでは4本の枝を伸ばす仕立て方が一般的ですが、凝縮度の高い葡萄を獲るためにこだわりを持っています。

この剪定に関してはとにかく、「本当に大事」だと語っており、「剪定は絶対に自分達以外の人にやらせることはない」と仰っていました。
殆どの作業は基本的に、知識をしっかり持った自分達だけで行い、丁寧に造ることを心がけているそうです。

■自然酵母のみを使用
自然な複雑味、ふくよかでアロマティックな香りを引き出す為に酵母は自然のものを使用します。
■新樽には入れない
樽に入れる目的は、ワインに少しのスパイス感を加えて奥行きを出す為。
ピノノワールは繊細な品種だからこそ、強い樽香をつけないよう古樽を使っています。
タンニンは良く熟した葡萄に由来するフルーツタンニンのみ。こうすることで、ベルベットのようなシルキーな舌触りが生まれるのだそうです!

などなど・・・
話を伺えば伺うほど、ヨーロッパで今まで培ってきた知識を生かした畑仕事や醸造方法、そして、品質を第一にしたワインを造る為の並大抵じゃないこだわりを感じました。
■オーガニックは当然のこと!
また、クロ・マルグリットのワインはオーガニック栽培です。しかし彼らににとってそれは当然のこと。それをあえて、ラベルに表記したりということはしていません。
「私たちはオーガニックでの栽培アプローチをしてはいますが、
それを売り文句にしようとは思いません。 オーガニック だから 美味しいということではなく、
色々な条件が重なってワインが出来る。
バランスだよ。バランス。」とジャン=シャルル氏。
また、ワインに添加される瓶詰め前のSO2の量も、かなり低いそうです。

人口よりも多いと言われる羊たちは、畑の雑草を食べたりと、畑の生態系の一環を担っています。
二人のワインへの愛情と情熱!
ボルドーでワイン醸造を学び経験を積んだジャン=シャルル氏(右)と、ワインの卸売業を営む家庭に育ち幼い頃からヨーロッパのワイン文化に触れていた奥様マルグリッドさん(左)。

小さい頃から食卓には常にワインがあり、両親はブルゴーニュのワインを好んでいた、というジャン=シャルルさんは、「何かを自分で表現したい、造り出したい」という夢をワインに見出し、ボルドー大学に入学し、地質学と醸造を学び、いくつかのシャトーで経験を積んだといいます。世界中を旅して廻った後、このニュージーランドに可能性を感じて、この地で夢を現実化させることを決意したそう。
一方、ベルギーでワインの卸売業を営む家庭に育ったマルグリッドさんは小さい頃から、ワインを飲みながらそれに合うお料理を考えたり作ったりするのが大好きだったそうです。彼女の話を聞いているだけで、ワインがより一層美味しく、愛らしく感じてしまう、そんなワインへの愛情に溢れた方でした!
テロワールを生かす事に成功!
そんな二人は夢を実現すべく、1996年ニュージーランドに移住。実際に生活をしながら気候や風土を観察し、いくつかのワイナリーで経験を積みながら、2000年にようやく最初の葡萄を植え始め、2005年にワイナリーを設立しました。
焦らずにテロワールを研究した上で、実行に移すことで、その土地にあった葡萄を育て、マールボロの良さを引き出すことに成功したのです。
下記の畑の写真を見ると、ピノ・ノワールの区画がソーヴィニヨン・ブランの区画に挟まれています。

「まず、土壌が異なります。ソーヴィニヨン・ブランの区画は表土が薄いですが、ピノ・ノワールの区画は表土の粘土がより厚くなっています。また、ピノ
・ノワールは樹勢が強くなく、病害にも弱い葡萄です。アワテレは海岸に近いため、風も強いので、ソーヴィニヨン・ブランの樹でピノ・ノワールを護っているようになるこの畑はとても好都合なのです。」とのこと。
ボルドーで経験を持つジャン=シャルルさんですが、ボルドー品種ではなくピノノワールを育てている事に関して尋ねると、「ピノはカベルネよりずっと繊細で難しい品種だけど、海に近く夜は涼しいマールボロの気候に最適。その土地にあった品種をその土地にあった造り方で育てるのが一番大事なんだ」と話していらっしゃいました。
ピノノワールの初ヴィンテージは2005年。まだまだ今後の活躍が見逃せない生産者さんです!
全ては「バランスが大事!」
「味わいにおいても、ワイン造りにおいても、大事なことはバランス。何かの要素が突出するのではなく、私たちはバランスを意識している」と話すジャン=シャルル氏。
このバランスを取った女性が印象的なラベルには、彼らの目指す、
「旧世界と新世界の調和」
をアールデコ(古いものと新しいものの融合)で描いています。

このバランスを保っ
たポーズにも意味を込めているそうで、
「三点のバランスを意味していて、
力強さとエレガンス、そしてピュアさのバランス」
を意識しているとの事。
また、彼らがこだわる葡萄の仕立て方、ダブルギュイヨの葡萄にもなぞらえているのだといいます。
ここにもこだわりがあったのですね♪このデザインは妻のマルグリットさんが考えたのだそうです! |