1989年のシャトーマルゴー作柄・出来
1989年のブドウの収穫は、1893年以来最も早い時期に行われ、シャトー・マルゴーでは8月17日に始まった…。メルロー、カベルネ、プチ・ヴェルドは、素晴らしいレベルまで成熟し、それは伝説の1982年を想い出させた。糖分における豊かさは1989年においてはより大切でさえあった。ワインの瓶熟成が、いち早く生まれた偉大な希望を裏付けた。芳醇さ、複雑さ、豊満さがこの類まれ
なワインを綴るためのキーワードになるだろう。
誕生以来飲み頃であるという印象を持っている。ワインが、ボトルの状態で長年たった後に普通は手に入れるこの心地よさをタンニンにもたらしたのは、事実、素晴らしく成熟したブドウの実なのだ。(2011年5月)
1989年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候
1989年はブドウ栽培について時期が早くまた収穫 量が少ない並外れた年として誰の記憶にも残って いる。開花、そして色づきと成熟は、特に暑く乾 燥した、模範的な条件で行われた。言結局ブドウ の収穫は、一日も雨にはあわなかった。つまり最 後の日まで。1989年は、夢のような年だった。 (9月11日の収穫)
セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1989
パヴィヨン・ルージュ1989年には、この素晴らしいヴィンテージのすべての品質がある。すなわち凝縮性、フィネス、円熟味における品質だ。今非常に美味しく飲めるが、もちろんさらに10年位は寝かせることもできる。(2011年2月)
白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1989
パヴィヨン・ブランの最高のヴィンテージに数えられる。恐らく初めてソーヴィニヨンのブドウの実は、素晴らしい成熟レベルに達した。この成熟によって、
しばしばこのセパージュの典型と考えられる植物性の特徴を持つアロマを越えて行くことができる。その上私たちが30hl/haを越えないという白ブドウの収
穫量の厳格な管理を試みたのは1989年のヴィンテージからだ。気候条件が許すのであれば、この少ない収穫量は、ブドウの実の凝縮性と成熟を一度に促す。今日では、パヴィヨン・ブラン1989年は何の疑いもなく、かろうじて熟成に達し、素晴らしく高い評価を受けている。たとえ少なくとも5、6年の間は、非常に飲みごろであると分かっているとしても、私たちができることは飲むことを勧めすることだけだ。(2002年9月)