前回に続いて「ヴィンテージワインの美味しい飲み方 その2」をお伝えしていきます。
キャップシールとラベルを良く見る
もしヴィンテージワインを手に取ってみることが出来るのでしたら、コルクとキャップを良く見てください。 まずは外側からキャップシールやその淵を観察します。 ワインが漏れ出していないか? もしくは液漏れした後があったりしないかを良く観察してみてください。 液漏れで言えば、ワインが噴出したり、漏れたりしてラベルにかかっていないかも重要なポイントとなります。もしワインが漏れて固まった後のようなものがあったら、要注意です。
■ワインが漏れた形跡が無いか良く見る
コルクとそのまわりを観察
外から見て判断するのは結構難しいのですが、瓶の外側から中のコルクを観察してみてください。
コルクの状態を見て、縮んで小さくなっているものは駄目ですし、ボトルの外に押し出されて、キャップシールが大きく盛り上がっているもの、またボトルの中に入ってしまいかなり窪んでいるものもあまり良くないかもしれません。 ただ、古いヴィンテージのワインとなると完璧な状態のものの方が少ないとも言えますし、多少の事でしたら問題ない場合もあります。 ここでは、その程度が大きいものは要注意だと言っておきます。
■コルクの状態が良さそうなものを選ぶ
ワインの液面
ワインを立てて置いたときにどの程度まで中身が入っているかを見ます。
ワインは長年保管しておくとコルクから少しずつ蒸発して減ってくるため液面が下がってきます。
年相応の減り方ならばいいのですが、それ以上に減っている場合は乾燥したあまり条件の良くない場所で保管されていたか、コルクの状態が悪く酸化が進んでいる可能性があるので要注意です。
ボトルの形状にもよるため明確な基準はないのですが、ボルドーワイン型のボトルの液面のレベルを以下のように表現して伝えることがあります。
1、ハイ・フィル
2、イントゥー・ネック
3、ボトム・ネック
4、トップ・ショルダー
5、アッパー・ショルダー
6、ミッド・ショルダー
※図がないと説明が難しいので後日画像をアップしてご説明します。
■年相応の液面レベル以下のものは気をつける。
ラベル(エチケット)の状態
ラベルの状態が悪いと中のワインも良くないと思われがちですが、実はあまり関係がありません。
ヨーロッパなどでは古いワインはラベルがボロボロなのが当たり前で、むしろしっかりと寝かせた良いワインの証としてありがたがられる事も少なくありません。
前章の液面でも触れましたが、ワインはコルクが乾燥してしまうと縮んだり、中のワインが蒸発したり酸化したりする事があるため、50%程度の湿度の割と多湿な環境で保管する事が望ましいため、ラベルにとってはカビが生えたり、劣化しやすい環境であることも事実なのです。
かといってラベルの綺麗なワインの状態が悪いと言うわけではないのですが、余程腐っているようなものでなければ、あまりラベルの状態に気を取られる必要はないかと思います。
■ラベル(エチケット)はワインにとって良い環境で保管すると年月に応じて劣化する。
ワインの色
最後にワインの色です。 赤ワインに関してですが、最初ワインは当然赤色をしています。 赤と言っても、濃い赤もあれば薄い赤、透きとおる様なクリアーな赤もあれば、黒みがかった赤、紫がかった赤など、産地や葡萄によって様々ですが、最初はどのワインもだいたいはっきりとした色合いを持っています。 これが年月をかけ、熟成が進んでいくと少し茶色やオレンジがかって来て、そしてその後熟成がすすんで行くと色合いが薄く更にオレンジや茶色の要素が強くなります。
ヴィンテージワインを選ぶ上でワインの色を見て気をつける点は以下の
1、濁っているワインは良くない。 濃厚でパワフルなワインは色も濃く、透明度が低いものですが、濁っている事とは訳が違います。 自然な色合いで、濁っていないものを選んでください。 特にブルゴーニュのワインなどは出来るだけクリアー色が望ましく、色がくすんでいたり、濁っているものは要注意です。
2、ヴィンテージの割にはオレンジ系の色が強いワイン。 これは、もともとボトルに付いている色にも影響されるのでとても見分けるのが難しいのですが、あまり古いヴィンテージではないのに、色がうすくあまりにもオレンジ系なのは不自然です。 参加している可能性があるので要注意です。
この辺の判断となると、経験が必要となってくるので、詳しい人、専門家に聞くのが良いでしょう。
ちなみに、日本には何千人ものソムリエの資格を持った方がいらっしゃいますが、ヴィンテージワインの色を判断するとなると、なかなかその経験がない限り難しく、ソムリエであったとしても分からないかもしれません。