1982年のシャトーマルゴー

1982年のシャトーマルゴー作柄・出来

非常に力強く、肉付きがよく複雑なワイン。ブーケは既に並外れて豊かで濃密だ。アタックには、多くの力強さ、円熟味、しなやかさの特徴が同時に現れる。
このようなバランスは、稀だ。間違いなく非常に長く寝かせることのできるワインだが、既にたくさんの魅力がある。
飲み頃が始まっているかもしれないが、全く急ぐ必要はない…。(2011年2月)

 

1982年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

1年の最初から最後まで、天候条件は、 ブドウの木とブドウの実の成熟にとって非 常に好意的だった。早い時期の開花の後で、 夏はとりわけ7月と9月前半に特に暑かった。 ブドウの実は素晴らしい成熟に至った。特 に糖度における記録的な凝縮性によって特 徴を示した(9月20日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1982

シャト・マルゴーのセカンドワインは、完璧にこの規格を超越したヴィンテージの一環をなし、これによりワインは力強さ、複雑さ、豊満さの稀なレベルに到達
することができた。パヴィヨン・ルージュ1982年のテイスティングに顕著
に表れるハーモニーと複雑さの印象は、恐らくこのワインが熟成の頂点に達したしるしだろう。とにかく今完璧に心地よく飲める。しかしさらに数年待つこ
ともできる。(2010年5月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1982

5月10日の特に厳しい遅霜が、潜在的な収穫を抜本的に削減した。翌年に、霜対策体制を導入した…。
春と夏の間続いた並外れた気候条件のお陰で、2番目のブドウの房は、量が削減され、非常に素晴らしい成熟に達することができた。
1982年はずっと前からすぐにパヴィヨン・ブランの最高のヴィンテージであることが明らかになった。最初から、ワインに素晴らしい瓶熟成を可
能にする香りにおける偉大なフィネスばかりではなく、味わいにおける偉大な力強さがあった。今日、ワインは、素晴らしい爽やかさと熟成香を留めている。今が飲み頃であるが、熟成を見守るために、数本のボトルを寝かせることもできる。(2006年1月)

 

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1983年のシャトーマルゴー

1983年のシャトーマルゴー作柄・出来

このヴィンテージのアペラシオヨン・マルゴーの華々しい成功は、依然として一部謎に包まれ、それは成功の要因に関する私たちの認識が、どれほど未だに
限られているかをよく説明している。8月の雷雨は、ボルドーの他の地域よりもマルゴー地域においては余り多くはなかった。
1983年のシャトー・マルゴーは非常に偉大なワインで、1982年のヴィンテージより優れていると評価するワイン鑑定家もいる。私たちはこのヴィンテージペアの誕生以来、それぞれの品質を決定的に判断することはせず、このペアを興味と渇望で見守った。時の流れとともに、一方がより高い評価を得た。それからその逆もしかり…。
今日では、1983年は確かに過去20年で最も古典的なマルゴーのひとつに数えられる。ブーケは非常によく開花し、芳醇で複雑味があり熟成している。
アタックは、偉大な力強さを留め、まだタンニンはしっかりしているが、厳しくはない。(2011年5月)

 

1983年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

非常に雨の多い春の後、6月は暑く乾燥し、した がって開花には素晴らしい条件を生み出した。夏 は暑く湿度が高く、殆ど熱帯の暑さで、よって植 物衛生計画に関しては難しかった。9月10日から、 収穫の終わりまで好天に恵まれ、ブドウの実は、 素晴らしい成熟レベルを手に入れることができた。 (9月29日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1983

ファーストワインのときと同じように、1983年は、パヴィヨン・ルージュの素晴らしいヴィンテージだ。
ワインは今完璧な熟成に達した。熟成したワインの典型そのもので、飲める状態にある。もちろん寝かせることもできるが、本当に味がよくなることはないだろう。(2002年9月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1983

晩秋の並外れた状況によって、赤ワインの場合のような、1982年のヴィンテージの品質にも匹敵する品質を持った白の偉大なヴィンテージを生み出すこ
とができた。
1983年は、改めてパヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーの非常に良質なヴィンテージにおいて、ボトルで味がよくなる素晴らしい潜在性の証拠をもたらしている。今が飲み頃だ。少なくとも10年間は、問題なく数本のボトルを寝かせることもできる。しかし味がさらによくなることは恐らくないだろう。(2010年末)

 

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1984年のシャトーマルゴー

1984年のシャトーマルゴー作柄・出来

アッサンブラージュにおける非常に僅かなメルローの割合と愛情をこめて獲得された成熟したカベルネ・ソーヴィニヨンが、最初から、このヴィンテージにあ
る種のいかめしさと特徴的なフィニッシュの固さを与えた。幸運にも瓶熟成でタンニンが和らいだ。今日ではアタックは、よりソフトであるが、フィニッシュは
軽く乾いている。1984年は、さらにボトルで芳醇になるだろうか?私たちは確信していない。ワインは今が飲み頃だ。恐らくさらにもっと少々繊細で複雑になるだろうが、少々乾くかもしれない。
よって今が飲み頃だが、興味から何本かのボトルを寝かせることもできる。(2010年)

 

1984年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

開花の間の寒く雨の多い天気が、メルローとカベル ネ・フランの歴史的な花振いを引き起こした。夏は むしろ暑く晴れたが9月の激しい雨がブドウの成熟 を妨げた。幸いブドウの収穫は太陽の下で行われ、 このことによりこの難しいヴィンテージにあって充 分に成熟したブドウの実を収穫することができた。 (10月1日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1984

むしろ難しいこのヴィンテージのボトルワインの状態の良さに驚かされる。フィネスがそこにあり、味わいは僅かに乾いているが常に爽やかだ。今が飲み頃。
(2002年9月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1984

白の困難なヴィンテージだ。ブドウは、未だ若かった。収穫はかなり重要で、成熟さはかろうじて獲得された。
パヴィヨン・ブラン1984年は、常に少々薄かったが、洗練され、繊細だった。瓶で本当に味がよくなることができる僅かな凝縮性と複雑さの特徴を確かに示し
た。飲まれるべきワインだったが、それでも飲み頃を過ぎてからそんなにたってはいない。(2002年9月)

 

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1985年のシャトーマルゴー

1985年のシャトーマルゴー作柄・出来

1985年は品質でも量において卓越したヴィンテージだ。常に非常に美味しく飲め、それは殆ど発酵の終わりからそうだった。香りは、驚くようにフルーテ
ィーであり、繊細で、エレガントで、今ではもっと熟成し、非常に複雑になっている。味わいは、初めに繊細さと特に丸みがありシルクのようなタンニンの魅力に感動を覚える。しかし余韻や残存性が偉大な凝縮性を表している。
今日、1985年は最も心地よい私たちのヴィンテージのひとつに数えられる。よって問題なく飲めるが、急ぐ必要はない。何故なら全く疑いようもなく、さらに美味しくなる潜在性がたっぷりとある。(2007年3月)

 

1985年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

かなり涼しく晩生の年の始まりの後、このヴィンテー ジは、非常に好意的な成熟と収穫が印象に残る。何よ りも9月と10月は、並外れて暑く乾燥した。ブドウの 葉は、11月に入り遅くまで落ちなかった…。この 「小春日和」は誰の記憶にも残っている。(9月 26日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1985

グラン・ヴァンとしてパヴィヨン・ルージュ1985年は、素晴らしい。すなわちエレガントでバランスがよく、肉付きがよく、複雑で、非常に美味しく飲める!
アタックは甘く余韻が長く続く。正真正銘の御馳走だ…。今が飲み頃だが、慌てることはない。(2002年9月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1985

パヴィヨン・ブランの困難なヴィンテージで、あまり魅力を持ったことはなかった。それでも特定の幸せとともに、その力強さと凝縮性によって、ワインは熟成することができた。すなわちワインは、瓶詰めされたときよりも美味しい。 いずれにせよ飲むべきだ。なぜなら私たちには、味がよくなると言う本物の潜在性が分かってはいない。(2002年9月)

 

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1986年のシャトーマルゴー

1986年のシャトーマルゴー作柄・出来

1985年に続くもうひとつの卓越したヴィンテージ。
しかし1985年は魅力的であったが、1986年はいかめしかった。珍しくもヴィンテージ(2000年まで)は最初から力強く凝縮されていた。これ以前にこれほ
どの豊潤さやバランスに出逢うためには、伝説の1961年に遡る必要がある。
1986年は驚くべきヴィンテージであり、非常にゆっくりとした熟成が、殆ど前の時代のワインを思わせる。タニックなストラクチャーは非常に引き締まり、とても濃密で、時の流れにつれてのみどうにか柔らかくなる。ブーケは今日開き始めているが、まだその果てしない潜在性の僅かな部分しか表現していない。味わいは、馥郁とし芳醇で、まだ僅かに固い。そろそろ飲むべきだろうか?…(2007年12月)

 

1986年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

夏の非常によい天候は、私たちが思っていた以上に よい効果をもたらしたことが分かった短い雨の通過 する9月20日頃まで殆ど続いた。その後すぐに、好 天が戻り、ブドウの収穫の間じゅう続き、ブドウの 実が素晴らしい成熟を手に入れることができた。 (10月1日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1986

パヴィヨン・ルージュの非常に偉大なヴィンテージ。しかも1986年には、殆どすべての区画が、もちろん並外れた気候条件のお陰で、非常に良質のワインをもたらした。また私たちは最も若く最も生産力のある区画のブドウの房を初めて間引くことを決めた。パヴィヨン・ルージュは、もちろんファーストワインよりももっと熟成しているが、まだ頂点に達してはいない。飲み始めることはできるが慌てることはない。(2002年9月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1986

パヴィヨン・ブランの偉大なヴィンテージで、優美さと爽やかさともに、力強さと深みを理想的に結びつけている。瓶詰めから20年以上たち、ワインは依然として驚くほどに、爽やかであると同時に充分に熟成している。このワインは、偉大な爽やかさを留めながら、ボトルの状態で味がよくなるというパヴィヨン・ブランの能力の素晴らしい証しを与えている。(2009年7月)

 

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1987年のシャトーマルゴー

1987年のシャトーマルゴー作柄・出来

もっとも偉大なテロワールが明らかになったのは、より困難な状況の中だった。シャトー・マルゴー1987年は、多くのフィネスや香りの複雑さによって特徴を示す。確かに偉大なヴィンテージの濃厚さや豊満さに欠けているが、グランヴァンの華やかさや気品と出逢う。
今や熟成の頂点に達した。飲むべきである。しかしながら慌てる必要はない。(2010)

 

1987年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

天候は一年中不安定だった。暑さと乾燥は本当に定 着することはなかった。しかし9月の10日間は素 晴らしい暑さだった。ブドウの収穫は、頻繁な雨 により比較的遅かった。幸い寒く、腐敗は進まな かった。(10月5日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1987

パヴィヨン・ルージュ1987年は、シャト・マルゴーに似ているがもっと薄くもっと熟成している。難しいヴィンテージとしての多くの気品やフィネスを表現している。
かなり軽いが調和のとれたワインだ。今、非常に美味しく飲める。これから数年のうちに本当に味がよくなるということはないだろう。(2004年7月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1987

パヴィヨン・ブランのどちらかと言えば軽いが繊細なヴィンテージだ。一般的に、ボルドー地方では、白は赤よりも成功した。なぜならブドウの収穫は10月の雨が始まる前に完了したからだ。私たちの最高の喜びのためには、今が飲み頃だ。(2002年9月)

 

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1988年のシャトーマルゴー

1988年のシャトーマルゴー作柄・出来

非常に深いローブ、芳醇で強い香り。また味わいの見事なストラクチャーも1986年を想い出させる。
同じ力強いタンニンとよく熟成し、僅かに劣る凝縮性といかめしさがある。さらに1986年に比べ1988年は、大いに開花し始めている。よって数年の間にさらに味がよくなることを理解しながら飲むことができる。(2009年12月)

 

1988年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

非常に穏やかな冬の後で、春は湿度が高く、6月と 7月の初めは、特に雨が多かった。それから7月中 旬から9月の終わりまでは、暑く非常に乾燥した。 ブドウの収穫の始まりにいくらか弱い雨が降った が、収穫は、素晴らしい条件で行われた。(10月 3日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1988

パヴィヨン・ルージュ1988年には、素晴らしいタニックなストラクチャーと多くの気品とともに、古典的なバランスがある。瓶熟成は、ワインに、若いうちに
はなかった心地よさを与えた。今美味しく飲めるが、リスクなしに寝かせることもできる。(2002年9月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1988

1988年は白ワインにとっても赤ワインにとっても、ボルドーの偉大な古典的ヴィンテージだ。8月と9月の暑さと乾燥の気候条件のお陰で、ソーヴィニヨンの
ブドウの実は素晴らしい成熟レベルに達し、赤ブドウの取り入れの始めの弱い雨の前に、理想的に摘み取りが行われた。
少々「むなしい」数年が経過し、ワインは未だ熟成の素晴らしいブーケを開花してはいなかったが、このヴィンテージは、今日では繊細さ、爽やかさ、複雑み、芳醇さ、かなりのはつらつさを非常によく表現している。(2011年1月)

 

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1989年のシャトーマルゴー

1989年のシャトーマルゴー作柄・出来

1989年のブドウの収穫は、1893年以来最も早い時期に行われ、シャトー・マルゴーでは8月17日に始まった…。メルロー、カベルネ、プチ・ヴェルドは、素晴らしいレベルまで成熟し、それは伝説の1982年を想い出させた。糖分における豊かさは1989年においてはより大切でさえあった。ワインの瓶熟成が、いち早く生まれた偉大な希望を裏付けた。芳醇さ、複雑さ、豊満さがこの類まれ
なワインを綴るためのキーワードになるだろう。
誕生以来飲み頃であるという印象を持っている。ワインが、ボトルの状態で長年たった後に普通は手に入れるこの心地よさをタンニンにもたらしたのは、事実、素晴らしく成熟したブドウの実なのだ。(2011年5月)

 

1989年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

1989年はブドウ栽培について時期が早くまた収穫 量が少ない並外れた年として誰の記憶にも残って いる。開花、そして色づきと成熟は、特に暑く乾 燥した、模範的な条件で行われた。言結局ブドウ の収穫は、一日も雨にはあわなかった。つまり最 後の日まで。1989年は、夢のような年だった。 (9月11日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1989

パヴィヨン・ルージュ1989年には、この素晴らしいヴィンテージのすべての品質がある。すなわち凝縮性、フィネス、円熟味における品質だ。今非常に美味しく飲めるが、もちろんさらに10年位は寝かせることもできる。(2011年2月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1989

パヴィヨン・ブランの最高のヴィンテージに数えられる。恐らく初めてソーヴィニヨンのブドウの実は、素晴らしい成熟レベルに達した。この成熟によって、
しばしばこのセパージュの典型と考えられる植物性の特徴を持つアロマを越えて行くことができる。その上私たちが30hl/haを越えないという白ブドウの収
穫量の厳格な管理を試みたのは1989年のヴィンテージからだ。気候条件が許すのであれば、この少ない収穫量は、ブドウの実の凝縮性と成熟を一度に促す。今日では、パヴィヨン・ブラン1989年は何の疑いもなく、かろうじて熟成に達し、素晴らしく高い評価を受けている。たとえ少なくとも5、6年の間は、非常に飲みごろであると分かっているとしても、私たちができることは飲むことを勧めすることだけだ。(2002年9月)

 

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1990年のシャトーマルゴー

1990年のシャトーマルゴー作柄・出来

ブドウの収穫は殆どひと月続いた。なぜならカベルネは、メルローよりも明らかに熟すのに時間がかかった。私たちはカベルネを完熟させるために、9月
の終わりに10日間収穫を中断しさえした。私たちにチャンスが微笑みかけた。なぜなら素晴らしい天候だったのだから。1990年は、1988年、1989年ととも
に一連の非常に偉大なヴィンテージの三番目に当たる。1988年の古典主義の後に、1989年の豊満さやコクが続いた。1990年はその魅力と非常に偉大な
フィネスによって私たちを直ちに感動させた。結局かなり似ている条件の2つのヴィンテージ1989年と1990年が、これほど異なる特徴の2つのワインを生み
出すとは信じがたい!しかし似ているように見えるこのような条件は、本当はそうではない。時期が悪いと思える大変な暑さや雨や少々長引く乾燥の昼間
の数日の影響について誰が知っているというのか…?
最初から1990年ヴィンテージのワイン、メルロー、カベルネ、プチヴェルドは並外れて魅力的で、芳醇で、ソフトで、引き締まったきめで、心を奪うような果実味を持っていたのだ…。香りと味わいのすべての要素は、完璧なハーモニーが1989年に匹敵する力強さを隠しているこのワインの中で既に見事に溶け合っているように思われる。今飲むことができる。しかも瓶詰めの後あまり時間がたたないうちに飲めたのだから。より偉大な喜びのために、多分20年あるいは30年後に飲むことができるだろう。(2010年5月)

 

1990年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

穏やかな冬の後に、開花は時期が速かったが、か なり長期にわたり不均質だった。1989年のように、 夏は非常に暑く乾燥したので、8月の終わりには、 若いブドウの木々は乾燥で本当に被害を被ったほ どだった。9月に降った2度の雨が、ブドウの実の 最終的な成熟に非常に都合がよく、収穫は非常に 好天の下で行うことができた。(9月17日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1990

1990年の非常によい気候条件によって、若いまたは余り若くないブドウ畑のすべての区画は、実際に成熟さにおける素晴らしいレベルに達することができた。それでも区画のいくつかが達した品質の素晴らしいレベルは、ファーストワインのための、特に厳しい選別へと私たちを駆り立てた。もちろんこのことも、アッサンブラージュのときに多くの非常に良質なワインが認められたパヴィヨン・ルージュの偉大な品質に貢献した。
パヴィヨン・ルージュ1990年は、今飲むのに非常に心地よい。特に洗練され、繊細で、すべてが調和してる。しかしさらに美味しくなることは想像しがたい…。私たちは今飲み始めることをお勧めするが、慌てる必要はない。(2011年5月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1990

赤の非常に偉大なこのヴィンテージは、白には同じ約束を守らなかった。すなわちワインはくたびれているようで、時期尚早に熟成したらしい。
しかしもしかしたらという思いに任せ、2、3年待ってから飲むとしよう。(2004年8月)

 

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1991年のシャトーマルゴー

1991年のシャトーマルゴー作柄・出来

4月21日の霜は、非常に不均質なやり方で、ブドウ畑を襲った。大半が川により近い石灰粘土質土壌に生えているメルローは100%霜にやられた。幸い「川を見下ろす」グラーヴの丘の上の私たちの重要なカベルネ・ソーヴィニヨンは、部分的に損害を免れた。
シャトー・マルゴー1991年は、私たちが初めに思った以上に早く熟成した。
しかし大半の場合、2番目の芽に由来するブドウの房すべてを色づきのときに落とさなければならなかったが、霜の後で数週間延期となった。殆ど収穫のときまで、この状況が非常に偉大なヴィンテージに到達した1945年と1961年のヴィンテージに結局は似ていることを願った。しかし私たちの希望の最後の瞬間を雨が鎮めたのだった。(2010年9月)

 

1991年のボルドーメドック地区マルゴー村の気候

寒さの後には、4月21日の歴史的な春の霜が降り、 5月末まで成長が遅れた。暑く乾燥した夏によっ て、成長は驚くほど挽回することができ、この 少ない収穫量は素晴らしい成熟に導いた。あいに くブドウの収穫直前に強い雨が降り、素晴らしさ が予測された品質を制限した。(9月30日の収穫)

 

セカンドラベル パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 1991

若いブドウ畑の非常に入念な間引きによって、最初に比べて3週間遅れ、霜の後に生じた2番目のブドウの房を完全に取り除くことができた。よって私たちはブドウの収穫のときに、ヴィエイユ・ヴィーニュも若いブドウの木も成熟し、均質で、非常に凝縮した収穫を手にすることができた。収穫前の数日の強い雨によって、収穫を急ぐことになったが、ブドウの実は僅かに水っぽくなっただけで全く品質を落とすことはなかった。
パヴィヨン・ルージュ1991年は、今日美味しく飲める。香りはかなり熟成している。森の下草や皮の素晴らしいアロマを表現している。アタックは心地よく、肉付きがよく爽やかだ。私たちはワインがさらに物凄く美味しくなるとは思わない。(2007年6月)

 

白ワイン パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー 1991

赤ブドウの収穫を僅かに減らした雨が、10日早く収穫されたソーヴィニヨン・ブランに与えた影響はずっと少なかった。1991年は、パヴィヨン・ブランの非常によいヴィンテージで、かなり力強く、肉付きがよく満ちたワインだ。ブーケは見事によく熟成し、今日では、多くのフィネスや複雑さを、ある種の独創性と同時に表現している。
今日では、飲み頃の非常に良質なボトルだが、さらに数年寝せることもできる。(2007年6月)

 

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