ワインマニアを虜にする
ワイン愛好家、いえマニアと言ったほうがいいかもしれません。
世界の人々が、1年に1度の蔵元からの出荷日を心待ちにするワインがあります。
めったにマスコミに登場せず、生産量が非常に少ないため高価なガングロフのワインです。
にもかかわらずコート・ロティとコンドリューで最も高い人気を誇るワインのひとつです。
彼の造るワインは一度でも口にした人は虜となってしまう官能的な魅惑に溢れていると言います。
評論家には左右されない、カルトワイン
雑誌や評論家のインタビューを受けることを嫌い、マスコミに登場することも稀。山奥で黙々と葡萄と向かい合い、ワインと話し合いながら、理想のワインを造るガングロフ。
評論家をわざわざ招聘し、高い評価を獲得することでメジャーになっていくワインも多いなか、あのロバート・パーカー氏ですら今となっては飲むことができないワインとなりました。
唯一彼の名前が取り上げられたのは、2000年のイギリスの評論家ジャンシス・ロビンソン女史が携わる「オックスフォード・コンパニオン・トゥ・ワイン」。
その中で「最も将来有望な28人」の一人に選ばれました。
そして、ただ一度の登場にもかかわらず、翌年の2001年以来、予約しなくては買えないワインとなってしまったのです。
知る人ぞ知る、知ってしまったら離れられないカルトなワイン、それがガングロフです。
ガングロフにしかない官能的な味わい
では、雑誌で取り上げられたり、評論家の点数を獲得したりしていないにも関わらず、何故こんなに世界中の愛好家に注目されているのでしょうか?
彼の造るワインは、美しいラベルのイメージ同様、官能的な味わいに満ちているといいます。
官能的・・・
緻密さと繊細さが表裏一体となり、絡みつくように口の中を広がる味わい。
このワインを一度でも口にすると忘れられなくなるそうです。
そして評判が評判を呼び、ただひたすらワインの味わいだけで入手困難になってしまったワイン。
それが、ガングロフなのです。
コンドリューを味わいたくて、同業者までもが試飲のために行列する
また、ローヌで年に一度開かれる展示会では、一般市場ではまずお目にかかることのできない、そして蔵元に行ってもテイスティングすることすらできない、ガングロフのコンドリューを目指して、バイヤーのみならず同業者までもが彼のブースに列をなすそうです。
日本への入荷は数ケースのみ
しかし、この魅惑的とも官能的とも言われるワインの生産本数はごくわずか。
わずか30樽弱しか造られていません。
そのため日本への入荷は数ケースしかありません。個人的な友人関係にある輸入元であってもこれしか入手できないのです。ガングロフの稀少性を実感いただけるでしょうか。
飲んだ人を必ず虜にするというこの魅惑的なワイン、ご興味をもたれた方はお早めにどうぞ!
ガングロフ氏の素顔
コンドリューに1.7ヘクタール、コート・ロティに2.4ヘクタールという小規模なガングロフのドメーヌ。
急勾配の丘陵に広がるブドウ畑でオーガニック栽培を行い、全てを手作業でこなします。
ロックと芸術を愛するガングロフ氏は独特の感性と、手抜きのない熱心な栽培・醸造により、他の人が真似できない魂が詰まったワインは世界中の人をとりこにします。
コンドリューにつていはその一部をローヌの名門ギガルに今でも卸しているそうです。
彼のセラーにはセンスの良いポスターや、ロックを流しているのでしょうかカセットデッキなどもおいてあり、心地よい空気が流れているとのこと。 |
急斜面の畑で作業中のガングロフ氏 |
しかしガングロフのセラー手法はどちらかといえば現代的。小型のオークバリーク(一部新樽)で行う長いエルヴァージュ。澱引きはなく、酸化防止剤も最低限しか使用しません。
驚異的な凝縮度、深み、複雑さが特徴のガングロフのスタイルは、その一方で繊細さと優美さを感じさせ、果実の純度と鮮度をいきいきと表現しています。 |
断崖絶壁の畑 |
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