世界三大貴腐の最高峰、シャトー・ディケム(イケム)は世界一!
世界三大貴腐ワインと呼ばれるボルドーのソーテルヌ地区の高級貴腐ワイン、甘口白ワインです。
貴腐ワインとは、貴腐菌によって葡萄の水分が奪われ、糖分が凝縮されたところで収穫された葡萄から作られる高級甘口ワイン、甘いだけではなく、コクと深みがあり、長期熟成にも耐えます。
【シャトー・ディケム】
世界最高峰の甘口白ワイン
世界3大貴腐ワイン、それはフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン・ベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・エッセンシアの3つと言われています。その中でも、フランス・ボルドー地方・ソーテルヌのワインには格付けがあり、その筆頭に君臨しているのがこのシャトー・ディケム(イケム)。その評価は世界中が認めるもので、貴腐ワインの最高峰と言われています。
1855年の格付けの際、白ではソーテルヌとバルザックだけが格付けの対象になりました。この時、「ディケム」は優れた品質により、唯一特別第1級に選出されたのです。
ブドウの樹一本からグラス一杯のワインが造られるといわれる贅の極み、品質が自己の定める水準に満たない年には容赦なく生産しない清廉さ、黄金色に輝く様はまさに飲む黄金そのもので、まさに最高級のワインと言えます。
ソーテルヌ地方の中心部に位置するイケムは、たくさんの第一級シャトーに囲まれた畑を見下ろす小さい丘の頂きに雄大に広がっています。1785年から1997年までの間、このシャトーは、まさに一族によって所有されていました。アレクサンドル・ドゥ・リュール・サリュース伯爵は、この広大なシャトーの経営責任者である一族の最も新しいメンバーで、1968年に叔父からこのシャトーを引き継ぎました。
ディケムの偉大さとユニークさにはいくつかの要因があります。まず第一に、固有の微気候を伴う完璧な立地条件がある。第二に、リュール・サリュース家は、97Kmにも及ぶパイプを用いた精巧な排水システムを設置した。第三に、イケムには、経済的な損失やトラブルを斟酌せずに、最も良質なワインだけを生産しようという狂信的とも言える執念が存在する。イケムが、近隣の畑に比べてこれほど優れている最大理由は、この最後の要因にあります。
ディケムは150人もの摘み手のグループによって、葡萄が完璧に成熟するのを待ってひとつひとつ摘まれていきます。1964年、彼らは、13回にもわたって畑をまわったが、不向きと見なされる葡萄を収穫しただけで、結局このヴィンテージではまったく何も生産されなかった。ワイン造りをしているシャトーのなかで、収穫全体を自発的に格下のワインにまわすところはほとんどない。しかし、イケムでは、1964年、1972年、1974年にはまったくワインが生産されていないのです。
ディケムの偉大なヴィンテージは50年あるいはそれ以上経っても、新鮮で豊かなままであると言われています。パーカー氏曰く「1921年ものでも、驚くほど新鮮で生きており、その贅沢さと豊かさは決して忘れることは無いだろう。」と。
【貴腐ワインとは】
デザートワインとして知られる貴腐ワイン。
ワインが甘くなる理由は貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)にあります。
貴腐菌が完熟ブドウにつき、果皮に小さな穴を開けます。ここから中の水分が蒸発し、葡萄の糖分を通常の2倍まで濃縮させるのです。ですが貴腐菌がついても、その後適度な乾燥と日照がなければ水分は凝縮しないばかりか、そのままでは葡萄は自然に腐ってしまします。
ですからソーテルヌ地方の類稀なる自然条件と、生産者の手間暇、努力が合わさって貴腐ワインは造られる、まさに自然からの贈り物。
加えて完熟したブドウになるまでのブドウの管理は大変なもの。貴腐ワインは、とても手の掛かった、大切に造られたワインなのです。