イタリアを代表する長期熟成に向くワイン
バローロはイタリアワインの中でも最も有名なワインであり「王様のワイン」の異名を持つフルボディの赤ワインです。
イタリア北部に位置するピエモンテ州で造られており、寒暖差の大きな気候と恵まれた土壌により葡萄が時間をかけて完熟し、糖度、酸度、タンニンの全てが充実した状態で収穫されます。
特に1964年は気象条件に恵まれ、素晴らしいバローロが生み出されており「バローロの大当たり年」として広く認識されています。
若い頃には濃い黒味がかった紫のバローロには、スミレの花やチェリーなどの愛らしい香りが中心にかおり、一方で味わいはボリュームのある果実味とともに、しっかりとした硬いタンニン(渋み)が存在し、必ずしも飲みやすいワインでないことも多々あります。
しかし、長期熟成を経ることでワインに存在していた渋みは果実味と交じり合い、丸みを帯びた旨みへと変化していきます。香りには紅茶やなめし皮、きのこなどの複雑なニュアンスがあらわれ、バローロ本来の魅力を存分に発揮させるのです。