1965年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー: 1965年のボルドーは非常に困難な年でありました。春から夏にかけて気候が不安定で雨が多く、収穫期にはさらに悪化したため、ぶどうが十分に成熟できませんでした。そのため、ほとんどのシャトーは評価の高いワインを造ることが困難でした。この年のボルドーの赤ワインは、一般的に軽くて薄く、長期熟成には不向きであるとされています。
ブルゴーニュ: ブルゴーニュ地方も1965年は厳しい状況でした。夏の低温と湿度の高さによりぶどうが完全に成熟せず、収穫量も例年より大幅に減少しました。赤ワインに関しては特に酸味が強く、果実味が不足し、軽めで飲み頃が早いタイプのワインになりました。一方、稀に良質な生産者が作った白ワインには、ある程度の評価を得ているものもあります。
シャンパーニュ: シャンパーニュ地方では冷涼で湿度が高い年となり、ぶどうの成熟度が低く、酸味が際立った年でした。そのため、この年はヴィンテージシャンパンがほとんど造られず、多くの生産者がノンヴィンテージブレンドとして活用しました。
イタリア
ピエモンテ(バローロ、バルバレスコ): ピエモンテ地方では1965年は冷涼で多雨の年でした。ぶどうが十分に成熟せず、特にネッビオーロ種を使用するバローロやバルバレスコにとっては厳しい状況で、タンニンが未熟で硬く、酸味が強いワインが主流でした。長期熟成には向かず、比較的早く飲むべきヴィンテージとされています。
トスカーナ(キャンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ): トスカーナ地方も同様に困難な気候条件に見舞われました。収穫期の雨が影響して、ぶどうが十分に成熟せず、薄く酸味の強いワインが多く生産されました。キャンティやブルネッロの評価も低く、飲み頃のピークは短かったとされています。
スペイン
リオハ: 1965年のリオハは比較的好条件であり、他の欧州地域と比べても評価が高いヴィンテージとなりました。適度な気候のおかげでぶどうは順調に成熟し、十分な果実味とバランスのとれた酸味が特徴的です。一部のワインは長期熟成により、より複雑で魅力的な風味を持つものとなりました。
ポルトガル
ポートワイン: 1965年のポートワインはヴィンテージ宣言がなかった年であり、全体的に評価は低めでした。多くのポートワイン生産者はこの年を見送り、良質なワインがあまり造られなかったとされています。結果として、1965年のポートワインは市場で見つけるのも難しく、希少性の高いヴィンテージとなっています。
ドイツ
モーゼル、ラインガウ: ドイツの主要なワイン産地でも1965年は冷涼で湿潤な年となり、ぶどうの成熟が十分に進みませんでした。特にリースリングのような晩熟品種にとっては厳しい条件であり、酸が強調されたワインが主体となりました。この年のワインは熟成ポテンシャルが乏しく、早めに飲むべきヴィンテージとされています。
アメリカ
カリフォルニア: カリフォルニアの1965年は比較的良好なヴィンテージとなりました。特にカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルなどでは高品質なワインが生産され、一部の評価は良好でした。ぶどうは成熟度が高く、力強くフルーティーな味わいで、熟成によって更なる複雑さを得ることができたと評価されています。
オーストラリア
バロッサ・バレー、ハンター・バレー: オーストラリアのバロッサやハンター地域では乾燥した気候の影響でぶどうが非常に良く成熟しました。その結果、力強く濃厚な風味を持つワインが生産され、良質な赤ワインが市場に出回りました。特にシラーズ種においては評価が高く、1965年のワインの中でも熟成ポテンシャルが十分にあるとされています。