不安定な年も乗り越えた 60年代の貴重なマルゴー
マルゴーの貴重な1966年ヴィンテージ。
19世紀後半から20世紀初めにかけてのボルドーの葡萄畑は、ベト病やウドンコ病に襲われたり、フィロキセラの被害にあったりと悲惨な時代が続き、その後も大不況やぶどう不作の影響もあって、所有者は数回にわたり換わることになります。
1966年の頃は、1934年からボルドーの輸出業者ジネステ社のフェルナン・ジネステ(FernandGinestet)が買い取り、ジネステ家はブドウ畑や醸造設備の改良に、大金を注ぎ込みました。
メドック格付け第1級であり、マルゴー村の名を冠した『シャトーマルゴー』このシャトーなくしてボルドーのワインは語れません。
ドラマ「失楽園」で一躍有名になり、高級ワインの代名詞。ワイン好きでなくても、誰もが憧れ一度は手にしたいと言う思いにかられます。
他の5大シャトーに比べ「優美なワイン」と表現され、力強さと繊細さを兼ね備えた、女性的なワインといわれています。
■力強さと優雅さを兼ね備えたボルドー・メドックの赤ワイン。
1855年に開催されたパリ万国博覧会で、数あるワインの中から選ばれた58のシャトーは、オーブリオンを除いた全てがメドック地区のものでした。
そんな高級赤ワインを産出するメドック地区では今でも、権威ある格付けワインが世界中に知られています。
しっかり骨格のある、タンニンの強いカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインから、サン・テステフ辺りになるとメルロの比率が若干高まり、優しさが加わります。
若いうちはタンニン分が豊富でスパイシーな特徴のあるメドックのワインも、熟成と共にエレガントで滑らかで、複雑味が増します。