1980年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー地方
1980年のボルドー地方は春から夏にかけて冷涼で雨が多く、ブドウの成熟に影響を与えました。特に赤ワインではタンニンや酸が強く、多くのシャトーが困難な年であると報告しています。しかしながら、一部の有名シャトーでは注意深い選果と厳格な醸造管理によって、比較的成功したワインを生産しています。シャトー・ラフィットやシャトー・マルゴーといった一部のシャトーでは、特に良い評価を得たとされています。
ブルゴーニュ地方
ブルゴーニュ地方にとって1980年は変化に富んだ天候の一年で、春は冷涼であり、夏の気温も安定しませんでした。収穫期直前の雨のために、一部の地域ではブドウの収穫が難航しました。その結果、ワインの質にはばらつきがあり、特にピノ・ノワールから造られる赤ワインは生産者ごとに大きく差が出ました。一方、シャルドネから造られた白ワインは比較的良好で、中には長期熟成可能な高品質のワインもありました。
シャンパーニュ地方
シャンパーニュ地方では1980年、冷涼な気候と湿度の高さが特徴でした。生産者は収穫時期を遅らせることで成熟度を向上させる努力を行いましたが、品質面での難しさは避けられませんでした。この年のシャンパーニュは酸が高めで、複雑さや深みにはやや欠ける傾向がありました。全体的に若いうちに飲むことが推奨されるヴィンテージとされています。
イタリア
ピエモンテ州
ピエモンテでは1980年、気温が例年よりも低めで、雨が多い年となりました。バローロやバルバレスコといった赤ワインに使用されるネッビオーロ種は、タンニンが強く、厳しい評価を受けることが多かったようです。多くの生産者にとって難しい年となり、ヴィンテージ評価も低めです。しかし、注意深い選果を行った一部の生産者では、エレガントで繊細なスタイルのワインを造ることに成功しました。
トスカーナ州
トスカーナ地方では春の冷涼さに始まり、夏も不安定な気候で推移しました。キャンティ地区では特に収穫直前に雨が多く降ったことで、品質に影響が出ました。一方、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノでは地域の特性により比較的良好なワインが生産されました。サンジョヴェーゼを主体とするワインは酸が高く、タンニンもしっかりとした構造を持ち、生産者によって評価にばらつきがありました。全体としては平均的なヴィンテージと評価されています。
1980年ワイン ヴィンテージワイン
平均して良年とはいえない1980年ヴィンテージですが、その中では、フランス・ブルゴーニュ地方の北部、コード・ド・ニュイ産もものは比較的高い評価を得ています。
ボルドー地方は寒い春で開花が遅れ、6月も寒くて雨が多い日が続いたため、葡萄が熟すのに時間がかかり、収穫開始は10月半ば以降にまでずれ込んだところもありました。ワインは全体的に早飲みタイプと評価されています。
ブルゴーニュお同じく収穫がずれ込みましたが、ぎりぎりまで摘果を待った生産者が最高のワインを作り出しました。コード・ド・ニュイの赤ワインは深みが合ってかなり濃厚なワインになりました。
イタリアやカリフォルニアは平均的な良年といえるでしょう。