1981年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー地方では、1981年は春の霜害と夏の冷涼な天候により、ブドウの成熟が遅れました。収穫量は平均以下となり、ワインの品質もまちまちでした。特にカベルネ・ソーヴィニヨンは成熟が不十分で、酸味が強く、果実味が控えめな傾向がありました。
ブルゴーニュ地方では、1981年は8月まで良い気候が続き、偉大なヴィンテージになると期待されていましたが、収穫前に激しい雷雨の影響でブドウが痛めつけられました。収量は少なく、品質にもその影響が出ていますが、良い生産者の良い畑のワインは、うまく熟成したものであれば15年以上経っても美味しく飲めます。
シャンパーニュ地方では、1981年は収穫量が少なく、品質もまちまちでした。酸味が高く、バランスの取れたシャンパンを生産することが難しい年となりました。
イタリア
ピエモンテ州では、1981年は夏の暑さと乾燥により、ブドウの成熟が早まりました。バローロやバルバレスコなどの赤ワインは、果実味が豊かで、タンニンがしっかりとしたワインが生産されました。
トスカーナ州では、1981年は天候に恵まれ、ブドウの成熟が順調に進みました。キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどのワインは、バランスが良く、長期熟成にも適したワインが生産されました。
スペイン
リオハ地方では、1981年は夏の暑さと乾燥により、ブドウの成熟が早まりました。テンプラニーリョ種を中心に、果実味が豊かで、バランスの取れたワインが生産されました。
ドイツ
モーゼル地方では、1981年は冷涼な気候が続き、ブドウの成熟が遅れました。リースリング種のワインは、酸味が高く、果実味が控えめで、長期熟成には向かないとされました。
アメリカ合衆国
カリフォルニア州では、1981年は比較的良好な天候に恵まれ、ブドウの成熟が順調に進みました。ナパ・バレーやソノマ・カウンティなどの地域では、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの品種で、バランスの取れたワインが生産されました。
ポルトガル
ポート地方(ドウロ渓谷)では、1981年は気候の変動が激しく、収穫期の降雨によりブドウが影響を受けました。そのためヴィンテージ・ポートの宣言は少なく、品質も安定せず、長期熟成向きのものは限定的でした。
オーストラリア
南オーストラリア州では、1981年は全般的に温暖な気候に恵まれ、特にバロッサ・ヴァレーやクナワラ地域では、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、果実味豊かでバランスの良いワインが生産されました。収穫量も多く、高評価を得たヴィンテージとなりました。
ニュージーランド
マールボロ地方は1981年当時、まだ新興の産地でしたが、この年は比較的涼しい気候が続きました。ソーヴィニヨン・ブランをはじめとした白ワイン品種は酸味が高く、すっきりとしたスタイルのワインが中心となりましたが、赤ワインの成熟はやや難しい年でした。
南アフリカ
ステレンボッシュ地域では、1981年は安定した天候に恵まれ、収穫期まで理想的な環境が続きました。特にピノタージュやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワイン品種は、果実味が豊かで骨格のしっかりした良質なワインが多く生産されました。
アルゼンチン
メンドーサ地方では、1981年は温暖で乾燥した気候が続き、ブドウは順調に成熟しました。マルベックを中心に、果実味が濃厚でタンニンが豊かなワインが多く、比較的評価の高いヴィンテージとなりました。
チリ
マイポ・ヴァレーを含む中央渓谷地域では、1981年は気候条件が非常に良く、安定した収穫を迎えました。カベルネ・ソーヴィニヨンを中心とした赤ワインは濃厚でバランスが取れ、チリワインの品質が向上する一因となったヴィンテージです。
オーストリア
ヴァッハウ地方など主要ワイン生産地域では、1981年は冷涼な気候と収穫期の雨に影響を受け、収穫量は少なめでした。グリューナー・ヴェルトリーナーやリースリングは酸が高く、フレッシュで若飲み向きのワインが多く見られましたが、熟成に向いたものは少ない年となりました。
ハンガリー
トカイ地方では、1981年は収穫期の天候が不安定で、貴腐菌の発生が少なく、高品質の貴腐ワイン(トカイ・アスー)の生産量は限定的でした。そのため、生産されたワインの多くは軽めのスタイルで早飲み向けが中心でした。
ギリシャ
ナウサ地域などギリシャ北部では、1981年は夏の暑さが強く、収穫量はやや低下しました。クシノマヴロなどの土着品種は、濃厚な果実味と強いタンニンを持つワインを生み出し、品質的には評価の高いヴィンテージとなりました。
カナダ
オンタリオ州(ナイアガラ半島)では、1981年は夏が温暖で比較的乾燥し、収穫も順調でした。主にリースリングやシャルドネを中心に、フレッシュでバランスの良いワインが生産されました。一方、赤ワイン品種の成熟はやや難しい年でした。
1981年ワイン ヴィンテージワイン
1981年ヴィンテージのフランスは、ボルドーでは収穫量が少なく品質にばらつきがあったため、良質のワインを探すのが困難で、近年希少価値が上がってきています。
ブルゴーニュは8月まで良い気候が続き、偉大なヴィンテージかと期待がされていましたが、収穫前に激しい雷雨の影響でブドウが痛めつけられてしまったそうです。収量は少なく、質にも若干その影響がでていますが、いい生産者のいい畑の、うまく熟成したものは15年以上経っても美味しくいただけます。
イタリアやカリフォルニアは平均的な良年、スペインは比較的高い評価がついています。
ヴィンテージチャートの点数はひとつの目安としてご参考になってください。微妙な畑の位置や、収穫のタイミング、生産者の努力、色々な要素が関係し、不作といわれた年からも素晴らしいワインが生まれます。実際に81年ヴィンテージは近年評価が見直されています。
1981年ワイン ヴィンテージワイン
1981年ヴィンテージのフランスは、ボルドーでは良質のワインが多かった反面、収穫量は少なかったようですので、探すのが困難、そのため近年希少価値が上がってきています。
ブルゴーニュは8月まで良い気候が続き、偉大なヴィンテージかと期待がされていましたが、収穫前に激しい雷雨の影響でブドウが痛めつけられてしまったそうです。
収量は少なく、質にも若干その影響がでていますが、いい生産者のいい畑の、うまく熟成したものは15年以上経っても美味しくいただけます。
イタリアやカリフォルニアは平均的な良年、スペインは比較的高い評価がついています。
ヴィンテージチャートの点数はひとつの目安としてご参考になってください。微妙な畑の位置や、収穫のタイミング、生産者の努力、色々な要素が関係し、不作といわれた年からも素晴らしいワインが生まれます。実際に81年ヴィンテージは近年評価が見直されています。