1993年のワイン （平成５年）

1993年のヴィンテージ作柄・出来・評価

フランス

• ボルドー: 1993年のボルドーは、春の霜害と夏の冷涼な気候により、ブドウの成熟が遅れました。収穫期の降雨も影響し、特にカベルネ・ソーヴィニヨンの成熟が不十分となり、ワインの構造や熟成ポテンシャルに影響が出ました。右岸のメルロー主体のワインは比較的良好な出来となりましたが、全体的には難しいヴィンテージとされています。
• ブルゴーニュ: ブルゴーニュでは、春の霜害と夏の冷涼な気候により、ブドウの成熟が遅れました。特にピノ・ノワールの成熟が不十分で、赤ワインの品質に影響が出ました。シャルドネは比較的良好な成熟を見せ、白ワインはフレッシュで酸味のあるスタイルとなりましたが、長期熟成には向かないとされています。
• シャンパーニュ: シャンパーニュ地方では、夏の冷涼な気候により、ブドウの成熟が遅れました。収穫時期の天候も不安定で、ブドウの糖度が低く、酸度が高い状態となりました。結果として、1993年のシャンパーニュはフレッシュで酸味の強いスタイルとなり、長期熟成には向かないとされています。

イタリア

• ピエモンテ: ピエモンテ州では、夏の暑さと収穫期の好天により、ネッビオーロ種が良好に成熟しました。バローロやバルバレスコなどの赤ワインは、豊かな果実味としっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。
• トスカーナ: トスカーナ州では、夏の暑さと収穫期の好天により、サンジョヴェーゼ種が良好に成熟しました。キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの赤ワインは、豊かな果実味とバランスの良い酸味を持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。

スペイン

• リオハ: リオハ地方では、夏の暑さと収穫期の好天により、テンプラニーリョ種が良好に成熟しました。赤ワインは、豊かな果実味としっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。
• リベラ・デル・ドゥエロ: リベラ・デル・ドゥエロ地方では、夏の暑さと収穫期の好天により、テンプラニーリョ種が良好に成熟しました。赤ワインは、豊かな果実味としっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。

アメリカ合衆国

• カリフォルニア: カリフォルニア州では、夏の暑さと収穫期の好天により、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの品種が良好に成熟しました。特にナパ・ヴァレーやソノマ・カウンティでは、豊かな果実味とバランスの良い酸味を持つワインが生産され、長期熟成のポテンシャルを備えています。
• オレゴン: オレゴン州では、夏の暑さと収穫期の好天により、ピノ・ノワール種が良好に成熟しました。赤ワインは、豊かな果実味とバランスの良い酸味を持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。

オーストラリア

• バロッサ・ヴァレー: バロッサ・ヴァレーでは、夏の暑さと収穫期の好天により、シラーズ種が良好に成熟しました。赤ワインは、豊かな果実味としっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。
• マーガレット・リヴァー: マーガレット・リヴァーでは、夏の暑さと収穫期の好天により、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの品種が良好に成熟しました。ワインは、豊かな果実味とバランスの良い酸味を持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。

南アフリカ

• ステレンボッシュ: ステレンボッシュでは、夏の暑さと収穫期の好天により、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノタージュなどの品種が良好に成熟しました。赤ワインは、豊かな果実味としっかりとしたタンニンを持ち、長期熟成のポテンシャルを備えています。
• パール: パールでは、夏の暑さと収穫期の好天により、シラーズやシャルドネなど

  １９９３年ワイン　ヴィンテージワイン

  1993年はフランス全域で比較的雨の被害が多くおこりました。

  ボルドーでは365日中160日が雨という異常気象の中、早熟型のメルローが良く実り、逆にカベルネソーヴィニヨンは多少水っぽかったようですが、全体的に見て結果は平均以上となりました。厳密な選果と進んだ醸造技術のお陰で、見事なワインを造り上げた所もあり、生産者によるバラつきも目立つ年ですが、メルロー主体のサンテミリオンやポムロールは、色つきが良く果実味の濃い素晴らしいワインに仕上がったようです。
  白ワインも、収穫量は減ってしまったものの、一般に良い出来ですが、フレッシュなうちに飲んでしまった方が良さそう。
  甘口ワインは秋の半ばに降り続いた雨が原因で、あまり出来が良くなかったようです。
  

  ブルゴーニュの赤ワインは良く成熟し、濃厚で複雑、タンニンが強く、しっかりした長命のワインが多く産出され、格上のものであればボルドーよりもはるかに優れたワインも多く生まれました。白ワインはコート・ド・ボーヌの特級品は雹の影響を受け収量が激減し、品質もバラつきが出たようです。

  イタリアも収穫期中の雨の影響を受けた地域もありましたが、８月が暑く乾燥していたお陰で果実の状態は良好で、少量ながら平均的なワインが出来ました。バローロとバルバレスコは非常に感じの良い果実味と果実香があり、１９８８年ものと特徴が似ていると言われています。