1996年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー
1996年のボルドーは、特に左岸のメドック地区で優れたヴィンテージとなりました。春は涼しく湿度が高かったものの、夏は暑く乾燥し、収穫期には理想的な天候が続きました。カベルネ・ソーヴィニヨンは完熟し、タンニンが豊富で、長期熟成に適したワインが多く生産されました。一方、右岸のメルロー主体の地域では、成熟度にばらつきが見られました。
ブルゴーニュ
ブルゴーニュでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は温暖で乾燥し、収穫期の天候も良好でした。ピノ・ノワールは良好な成熟度を示し、エレガントでバランスの取れたワインが生産されました。シャルドネも同様に、酸味と果実味のバランスが良いワインが多く見られました。
ローヌ
ローヌ地方では、北部と南部で状況が異なりました。北部では、シラーが良好な成熟度を示し、力強くスパイシーなワインが生産されました。南部では、グルナッシュがやや成熟不足で、ワインの品質にばらつきが見られました。
イタリア
ピエモンテ
ピエモンテでは、春の霜害と夏の降雨により、ネッビオーロの成熟が遅れました。バローロやバルバレスコの生産者は、収穫時期の選定に苦労し、ワインの品質にばらつきが見られました。
トスカーナ
トスカーナでは、夏の降雨と低温により、サンジョヴェーゼの成熟が不十分でした。キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどのワインは、酸味が強く、果実味が不足している傾向がありました。
スペイン
リオハ
リオハでは、夏の降雨により、テンプラニーリョの成熟が遅れました。収穫時期の選定が重要で、早めに収穫した生産者は、酸味が強く、果実味が不足したワインを生産しました。一方、収穫を遅らせた生産者は、よりバランスの取れたワインを生産しました。
リベラ・デル・ドゥエロ
リベラ・デル・ドゥエロでは、夏の降雨が少なく、テンプラニーリョの成熟が良好でした。力強く、果実味豊かなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
アメリカ
カリフォルニア
カリフォルニアでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は温暖で乾燥しており、収穫期の天候も良好でした。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、多くの品種が良好な成熟度を示し、バランスの取れたワインが生産されました。
オーストラリア
バロッサ・ヴァレー
バロッサ・ヴァレーでは、夏の降雨が少なく、シラーズの成熟が良好でした。力強く、スパイシーなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
ハンター・ヴァレー
ハンター・ヴァレーでは、夏の降雨により、セミヨンの成熟が遅れました。酸味が強く、果実味が不足したワインが多く見られました。
1996年ワイン ヴィンテージワイン
1996年も、ボルドー、ブルゴーニュ共に優秀な当たり年。タンニン、酸、共にしっかりとしたワインが多く、長寿タイプのワインができました。
ボルドーの左岸は特に良作と言われており、非常に高値で取引されているヴィンテージ。収穫がも多く豊作でした。
ブルゴーニュワインも偉大な年。村名以上のワインはまだまだ熟成の可能性を秘めています。