1998年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー
1998年のボルドーは、右岸と左岸で異なる評価を受けました。右岸のサンテミリオンやポムロールでは、メルローが良好な成熟度を示し、豊かな果実味と柔らかなタンニンを持つワインが生産されました。一方、左岸のメドック地区では、カベルネ・ソーヴィニヨンの成熟がやや不十分で、ワインの品質にばらつきが見られました。
ブルゴーニュ
ブルゴーニュでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は温暖で乾燥し、収穫期の天候も良好でした。ピノ・ノワールは良好な成熟度を示し、エレガントでバランスの取れたワインが生産されました。シャルドネも同様に、酸味と果実味のバランスが良いワインが多く見られました。
ローヌ
ローヌ地方では、北部と南部で状況が異なりました。北部では、シラーが良好な成熟度を示し、力強くスパイシーなワインが生産されました。南部では、グルナッシュがやや成熟不足で、ワインの品質にばらつきが見られました。
イタリア
ピエモンテ
ピエモンテでは、春の霜害と夏の降雨により、ネッビオーロの成熟が遅れました。バローロやバルバレスコの生産者は、収穫時期の選定に苦労し、ワインの品質にばらつきが見られました。
トスカーナ
トスカーナでは、夏の降雨と低温により、サンジョヴェーゼの成熟が不十分でした。キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどのワインは、酸味が強く、果実味が不足している傾向がありました。
スペイン
リオハ
リオハでは、夏の降雨により、テンプラニーリョの成熟が遅れました。収穫時期の選定が重要で、早めに収穫した生産者は、酸味が強く、果実味が不足したワインを生産しました。一方、収穫を遅らせた生産者は、よりバランスの取れたワインを生産しました。
リベラ・デル・ドゥエロ
リベラ・デル・ドゥエロでは、夏の降雨が少なく、テンプラニーリョの成熟が良好でした。力強く、果実味豊かなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
アメリカ
カリフォルニア
カリフォルニアでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は温暖で乾燥しており、収穫期の天候も良好でした。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、多くの品種が良好な成熟度を示し、バランスの取れたワインが生産されました。
オーストラリア
バロッサ・ヴァレー
バロッサ・ヴァレーでは、夏の降雨が少なく、シラーズの成熟が良好でした。力強く、スパイシーなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
ハンター・ヴァレー
ハンター・ヴァレーでは、夏の降雨により、セミヨンの成熟が遅れました。酸味が強く、果実味が不足したワインが多く見られました。
1998年ワイン ヴィンテージワイン
1998年はボルドーは右岸が非常に良い年です。8月に猛暑が続いた為、タンニンも多く果皮の厚いふくよかな傾向にありましたが、9月の収穫時期に雨が降り続き、カベルネソーヴィニヨンが難しい年となったため、メドックでは一部被害を受けたようです。早摘みのメルロー主体のサンテミリオンやポムロール、グラーヴは1995年に似た秀逸なワインになりました。
ブルゴーニュは比較的骨格の強い男性的なタイプが造られたといわれています。
ローヌ南部は例外的な優秀年。