1999年のヴィンテージ作柄・出来・評価
フランス
ボルドー
1999年のボルドーは、春の霜害と夏の降雨により、収穫量が減少しました。特にメドック地区では、カベルネ・ソーヴィニヨンの成熟が不十分で、ワインの品質に影響を与えました。全体的に、早飲みタイプのワインが多く、長期熟成には向かないとされています。
ブルゴーニュ
ブルゴーニュでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は比較的温暖で、収穫期の天候も良好でした。ピノ・ノワールは良好な成熟度を示し、エレガントでバランスの取れたワインが生産されました。シャルドネも同様に、酸味と果実味のバランスが良いワインが多く見られました。
ローヌ
ローヌ地方では、北部と南部で状況が異なりました。北部では、シラーが良好な成熟度を示し、力強くスパイシーなワインが生産されました。南部では、グルナッシュがやや成熟不足で、ワインの品質にばらつきが見られました。
イタリア
ピエモンテ
ピエモンテでは、春の霜害と夏の降雨により、ネッビオーロの成熟が遅れました。バローロやバルバレスコの生産者は、収穫時期の選定に苦労し、ワインの品質にばらつきが見られました。
トスカーナ
トスカーナでは、夏の降雨と低温により、サンジョヴェーゼの成熟が不十分でした。キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどのワインは、酸味が強く、果実味が不足している傾向がありました。
スペイン
リオハ
リオハでは、夏の降雨により、テンプラニーリョの成熟が遅れました。収穫時期の選定が重要で、早めに収穫した生産者は、酸味が強く、果実味が不足したワインを生産しました。一方、収穫を遅らせた生産者は、よりバランスの取れたワインを生産しました。
リベラ・デル・ドゥエロ
リベラ・デル・ドゥエロでは、夏の降雨が少なく、テンプラニーリョの成熟が良好でした。力強く、果実味豊かなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
アメリカ
カリフォルニア
カリフォルニアでは、春の霜害が一部の地域で影響を与えましたが、夏は温暖で乾燥しており、収穫期の天候も良好でした。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、多くの品種が良好な成熟度を示し、バランスの取れたワインが生産されました。
オーストラリア
バロッサ・ヴァレー
バロッサ・ヴァレーでは、夏の降雨が少なく、シラーズの成熟が良好でした。力強く、スパイシーなワインが生産され、長期熟成にも向くとされています。
ハンター・ヴァレー
ハンター・ヴァレーでは、夏の降雨により、セミヨンの成熟が遅れました。酸味が強く、果実味が不足したワインが多く見られました。
1999年ワイン ヴィンテージワイン
1999年全体的にフランス全域でハズレのない高い評価を得ていますが、特にブルゴーニュの赤ワインにおいて豊作で質量共に素晴らしく偉大なグレートヴィンテージとなりました。
ボルドーは平均して高い評価がついているものの、生産者によっては質的なバラつきがあったようです。また9月の下旬に雨が降ったため、メルローに比べ遅摘みのカベルネソーヴィニヨンは若干影響を受けたところがあるようです。2000年のミレニアムヴィンテージの影に隠れており、品質の割にリーズナブルな価格で取引されています。
ローヌ南部は1998年に引き続き、優秀年となりました。