シャトー・スタール
サンテミリオンで最も古いシャトーの1つであり、1762年から同じ一族に所有されている、アペラシオンの北部に位置するこのシャトーは、主として石灰岩からなる土壌の上にある。
スタールは、ベネルクス三国で高く評価されているが、ヨーロッパの外ではあまり知られていない。
伝統的につくられた、サン・テミリオンでは最も伝統的なつくりの、最も長命なワインの1つであるだけに残念だ。ほとんど20〜25年以上持ちこたえ、10年は近づきがたいということもしばしばである。このシャトーはワインを寝かせるのに新樽を少なくとも3分の1は使用し、ほかのサン・テミリオンのシャトーよりずっと遅く瓶詰めすることが多い。
スタールはたいてい暗くて非常に濃いルビー色(清澄、濾過処理なし)をしており、強烈でタンニンの強い獰猛さがあって、若いうちは飲む人を遠ざけかねない。とはいえ、サンテミリオンでとっておきの秘密にしておきたいものの1つである。
20年以上の寿命を持ったワインを探している消費者はスタールを真剣に検討してみるべきである。
『ロバート・M・パーカーJr. ボルドー第4版』より