◆生産者紹介◆
(以下輸入元資料)
【フランソワーズ・ベデル】
http://www.champagne-francoise-bedel.fr/
フランソワーズ・ベデルがもともとビオディナミをはじめたきっかけは、息子ヴァンサンの病気でした。現代的な薬はまったく効かず深く悩み続けた末、最後に出会ったホメオパシー(同毒療法)によって完治しました。
「世界の見方が変わりました。それで、ぶどうにも同じことがいえるのではないかと考えるようになり、やがてビオディナミに出会いました」。 |
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そのヴァンサンもツィント・ユンブレヒトやシャトー・ド・モンテリーでのビオディナミ修行を終え、今日母と力を合わせてシャンパン造りに情熱を注いでいます。
ルロワ女史やルフレーヴ女史と日々情報交換しているフランソワーズは、彼女たちの主催するビオディナミ実践団体「BIODYVIN」に、シャンパーニュの生産者として初めて加入が認められました。
真のビオディナミストとして驚異的なまでに畑に手を尽くす彼らこそ「求道者」の名にふさわしく、その結晶たる彼らのシャンパンは、魂がしびれるほどの感動作であります。
【シモン・セロス】
http://www.champagne-simon-selosse.com/
ジャック・セロス氏(同名RMの現当主アンセルム・セロスの父)の妹、オデット・セロスがクリスチャン・シモンと結婚して誕生したのがこのRMです。アヴィーズを中心としたセロス家の畑も、ジャックとオデットが半分ずつ継承しました。よって、シモン・セロスの現当主フィリップ・シモンは、アンセルムとは従兄弟の関係になります。両方のセロスを扱う知り合いのロンドンのワイン商いわく、「ジャック・セロスが赤く燃える太陽なら、シモン・セロスは碧く光る月」。 |
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フィリップ・シモンの哲学は、「コート・デ・ブランのシャルドネが持つぶどう本来の繊細な味を、極限までピュアに表現する」こと。「それが、美味しい料理に本当の意味で合うシャンパンであると、信じています」。「従兄弟は、アヴィーズとRMの振興に大きな貢献をしてくれた」と感謝する一方で、「ただ私自身は、シャルドネを樽発酵すると、ぶどう本来の美点は感じられなくなると考えています」。
実質的にはビオロジーの極めて厳格なリュット・レゾネに早1990年から取り組み続け、完璧なぶどうを育てることに没頭する彼は、醸造については極めてシンプルで原理的な手法を貫いています。
コート・デ・ブランのシャルドネの真実の姿がここにあります。
※カーヴの壁に描かれたセロス家の昔の収穫の風景。一番左の少年が当時のジャック。一番右が妹のオデット。
【セルジュ・マチュー】
http://www.champagne-serge-mathieu.fr
オーブ最高の造り手にして、シャンパーニュの全生産者の中でも最も高く評価されているRMのひとつ、セルジュ・マチュー。当主ミッシェル・ジャコブは実質ビオロジーの極めて厳格なリュット・レゾネ栽培に精魂込め、オーブならではのリッチで贅沢感のあるピノノワールとシャルドネをつくっています。 |
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マチューのシャンパンはとりわけフランスのガストロノミー界で絶大な人気を博しており、“肉料理の名人”と言われながら突然「野菜料理宣言」をしてパリにセンセーションを巻き起こした3つ星「アルページュ」の天才シェフ、アラン・パッサール、同じくパリの名店「アピシウス」のジャン・ピエール・ヴィガト、ランスの名門「ボワイエ・レ・クレイエール」のジェラール・ボワイエといったフランスを代表するグランシェフ達が惜しみない賞賛の声を送っています。また、2004年度世界ソムリエ・コンクールで優勝したパリの3つ星「ル・サンク」のエンリコ・ベルナルドが仏「フィガロ」誌に発表したトップ10シャンパンの中にも、マチューのブリュット・プレスティージュが入っています(他はサロン'90など)。
まずは、「オーブの魂」というべきピノノワール100%のスタンダードキュヴェ「ブリュット・トラディション」をお勧めします。
【ポール・デテュンヌ】
http://www.champagne-dethune.com/
なにかと派手な話題を振りまく生産者が多いアンボネー村ですが、他の多くの食材などと同じで、本当においしいものをつくっているのは、黙々と仕事に打ち込む知られざる職人のほうです。そのことを一番よく分かっているのは、大手メゾンの買い付け人達。このRMはかなり昔から、ヴーヴ・クリコの最高キュヴェ「ラ・グランダム」のアンボネーの原酒の供給元でもあります。 |
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17世紀からグランクリュ・アンボネー一筋で栽培を営むデテュンヌ家。日曜日以外は基本的に朝6時から夜10時まで働いている現当主ピエール・デテュンヌは、リュット・レゾネにいち早く取り組み、メゾンの総使用電力の一部を自家ソーラー発電でまかなうといった「環境に優しいシャンパン造り」を実践しています。
また彼のシャンパンは、すべて同じ畑のぶどうから造っていながら、キュヴェごとにくっきりと異なる個性があることで有名で、ステンレスタンクのみならず大小様々な樽での発酵や熟成期間の違い、ヴァン・ド・レゼルヴの使い分けといった醸造法によって、魔法のような多様性を表現しています。どのキュヴェの品質も現代シャンパンの最高レベルにあり、それぞれの際立った個性を堪能していただけます。
【アンリ・ショーヴェ】
http://www.champagne-chauvet.com
この造り手に辿り着くまでに5年かかりました。
数百軒のRMを訪問する中で分かっていたのは、シャンパーニュで腕自慢の造り手が最も密集している地域は、コート・デ・ブラン最南部のプルミエクリュの村々一帯(シャルドネ)と、モンターニュ・ド・ランス真北部から西側の丘陵地帯(小モンターニュ・ド・ランス)にかけてのプルミエクリュ中心の村々一帯(ピノ・ノワールとピノ・ムニエ)であること。「グランクリュの名前に胡坐をかいている奴らには絶対負けないぞ」という職人のプライドが、あまりのうまさに絶句してしまうような衝撃の作品群を生み出します。 |
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しかしながら、RMの醍醐味を”個性”に求める時、後者地域の生産者は3品種をブレンドする習慣が根強く、ブラン・ド・ノワールをことごとくプレステージ・キュヴェにしてしまうという問題があります。「あるはずのものが、ない」という葛藤からようやく解放してくれたのが、リリー・ラ・モンターニュの名手ダミアン・ショーヴェでした。
「特定のキュヴェ・プレスティージュ”だけ”が美味しいなど、あってはならない。ここはピノノワールとピノムニエの名産地。これこそを、スタンダード・キュヴェにしなければならない」。
同地域は北向き斜面が多く日照量が多すぎないために、ピノ特有のコクのあるうまみと、美しい酸がそれぞれ高い次元で両立できる、類稀な産地です。
「魚介類ももちろん良いが、むしろ肉料理に合わせていただきたい」という”職人”ショーヴェ入魂のスタンダード・キュヴェ、ぜひご堪能下さい。
【ベルナール・ペルトワ】
ル・メニル・シュル・オジェに10世代以上続く名門RMです。年間生産量20000本というRMの中でもとりわけ小さな規模で、生産量のほとんどはヨーロッパのシャンパン愛好家1500人に毎年予約で完売してしまうという、知られようがなかった本物です。実際私たちも、現地で飛び込み訪問をしてはじめて見つけることができました。 |
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すべてのキュヴェは、ル・メニル・シュル・オジェ95%、オジェ5%のブレンドですが、彼らのオジェの畑はメニルの畑との境界にあり、斜面の方向、土壌など同じであることから、実質上メニル100%の単一テロワールものです。スタンダードのブリュットでも4年間以上、キュヴェ・プレスティージュにいたっては7年間以上ビン熟成をしてから出荷するというこだわりよう。
恰幅がよく豪放な当主パトリック・ペルトワさんですが、フランス柔道選手権で7位に入賞した柔道家です。品の良い奥さんは、そんな彼の頼りがいに惚れたのかと思いきや、なんと彼女は同選手権で4位に入賞した屈強の女房でした。しかし彼は「絵葉書を集めるのが趣味です」と照れくさそうに言う繊細な一面も持っており、おそらくこの辺に、彼のシャンパンのスケール感の大きさと、精緻なフィネスの両立の秘密がありそうです。 |